【あらすじ】大正14年。上海から戻った吉良常は、瓢吉の許を訪れる。同じ頃、砂村の小金一家は、浜の貸元の大横田と丈徳一家と一悶着が持ち上がる。その真相は小金一家のシマに目を付けた大横田の野望だった。出入り前日、小金は飛車角を旅に出そうとするが、この申し出を飛車角は断り、殴り込みに参加する。丈徳を斬り捨てた飛車角の活躍で、小金一家の勝利に終わる。そんな中、飛車角の兄弟分・奈良平が、大横田に脅されて飛車角と共に足抜けしたおとよを騙して連れ出そうとするが失敗する。これを知った飛車角は、奈良平を殺し、警官に追われ瓢吉の家へと逃げ込む。吉良常と飛車角の運命的な出会い。飛車角の罪を知った吉良常は飛車角に自首を諭す。4年の月日が流れた昭和4年。宮川は玉ノ井に女をつくり、通い詰めるが、その女とはおとよであった。小金一家の熊吉は、おとよと知り、宮川に飛車角への不義理を忠告。宮川はおとよに駆け落ちしようするが、その前夜、吉良常がおとよを訪ね、飛車角への面会を勧める。二人の男の狭間で悩むおとよは、姿をくらます。特赦で飛車角が出所する1ヶ月前、小金がこの世を去り、丈徳の跡目を継いだデカ虎は、小金一家に殴り込みを仕掛け、寺兼を殺し、白鉄に重傷を負わせる。小金の墓前で、詫びる宮川を飛車角は殴り飛ばしていた。おとよの件ではなく、一家や兄弟分の供養をしない宮川への叱咤だった。瓢吉が中国へと旅立つと、吉良常は、飛車角と共に吉良港へと戻る。この吉良港で、飛車角と吉良常は、芸者のおとよと再会する。涙を流し昔を忍ぶが、時の流れはどうすることもできない。そして吉良常が、病床に伏す。これを知った瓢吉が病床を見舞うと、吉良常は息を引き取る。一方、飛車角の出所を知ったデカ虎は、仇を討つため吉良港を目指す。宮川もデカ虎の後を追う。吉良港杉源一家に草鞋を脱いだデカ虎一家に、宮川は単身殴り込むが、逆になぶり殺しに…。デカ虎、杉源一家の挑戦状を受ける飛車角。数刻のち、飛車角のドスは、杉源一家の中を舞い踊った。宮川の死体をおとよに託し、ただ一人吉良港を去る飛車角の背には哀愁がみなぎっていた…。
【解説】巨匠内田吐夢が3年ぶりに全情熱を傾けて、任侠映画の最高峰を極めるべく演出にあたる注目の東映オールスターで放つ大任侠映画!原作は、尾崎士郎の代表作『人生劇場・残侠篇』。『人生劇場』第10回目の映画化となる。飛車角、吉良常、宮川、小金等の任侠の世界に逞しく躍動する人間群像を中心に、瓢太郎、瓢吉、おとよ、お袖等の数奇な運命を辿る人物を絡めて、奥深い人間ドラマが展開される。



