【あらすじ】昭和22年の暮れ。東京の博徒・末広勝治は、1年半の刑期を終え網走を仮出所するが、その2日後東京に戻った勝治は、一家の縄張りを荒らしていた三国人の組長らに重傷を負わせ、懲役3年の刑を受けると再び網走に戻ることになる。網走刑務所では、勝治の居た二舎のグループ、一舎の監獄ボスである熊沢のグループ、さらに新入り工藤らのひねくれグループである三舎といった三派に勢力が分かれていた。そして、新任の所長と同じく新任の教育課長・俵星は、この乱れた所内を立て直そうと努めていた。特攻帰りの工藤は、俵星とことごとく対立するが、勝治もこの二人とよく衝突する。だが俵星は勝治と工藤を一本筋の通った骨のある男と見ていた。というのも一舎の熊沢グループは、看守部長や古参の看守・髙野らと組んで、刑務所の物資を横流しし、我が物顔にのさばっていたからだ。一方、熊沢らは勝治や工藤らが極寒の中で伐採した木材の横流しを計画していた。そんな中、義父殺しの混血児・木村は、面会に来た母親に会おうとしないことを見かねた修道尼の花巻みどりからの依頼で、勝治は二人が再会するための一計を案じうまくいくが、その木村が熊沢らに殺されるという事件が起きる。熊沢らがこの一件をきっかけに暴動を起こし、その騒ぎに乗じて木材の横流しを図ろうとしたためだ。果たして、木村の死を事故死として処理した看守部長・髙野に対し、勝治や工藤らの怒りは頂点に達する。木村の葬式当日、看守の小銃を奪い取る勝治らによって所内は大混乱に陥るが、これをヤクザ上がりの新入り囚人・久保の冷静な働きにより、暴動は無事収められる。計画を失敗させられた熊沢らは、目障りとなった久保が高野を襲ったように見せかけ、そのため射殺されたこととして葬り去る。さて、今回の暴動未遂の主犯格たちは、懲罰として山奥の豪雪地帯にある深見牧場に送られることとなる。2台のトラックの先頭車には看守部長・髙野と熊沢ら一派が、そして後方車には教育課長・俵星と勝治ら一派が乗り組む。そして、とある谷にさしかかると、熊沢の仕掛けたダイナマイトによって崖くずれが起こり、勝治たちの乗った後方のトラックは谷へと転落する。辛うじて助かり急斜面を這い上がろうとする者たちには、熊沢らの銃弾が容赦なく襲う。次々と仲間が犠牲になっていく中、工藤は勝治の楯となって死ぬ。やっと逃れ出た勝治は、瀕死の俵星を担ぎ、大雪原の中を網走へと急ぐ。なんとか病院へと辿り着き、俵星を託した勝治は大刀を掴むと黙って立ち上がる。そして勝治は馬に跨り、深見牧場へとひた走るのであった…。
【解説】遠い遠い風が呼ぶ、白い地獄が身をせめる。男、高倉北の果て。「網走番外地」シリーズ第17弾。今回は、白雪に覆われた網走刑務所とその周辺の原野を舞台に、獄中での男の争いを描きながら、ラストに向けて、かつて見たことがないほどの大暴動、白銀を血で染めあげる大脱走といった人間と人間、人間と大自然の凄惨な斗いが繰り広げる。



