職場にシラフで行ける気がしない――…。雪村ほのか(38)は腕のあるSE(システム・エンジニア)。誰よりも早く出勤し、勤務態度は良好、上司からは昇進を促されているがほのかは固辞していた。ただでさえ人前が苦手な自分が部下を持つなんて。会社の飲み会に参加しても人並に振舞えない、二次会も強く誘われない。劣等感や不安は募る一方だ。そんなささくれた気持ちを払拭するために、ほのかは今宵も酒を飲む。いつでもやめれるんだから、今夜だけはめいっぱい飲みたい。飲んだら楽になる、飲んだら大丈夫…と言い聞かせて。
内気な性格で精神的に弱い雪村ほのか。仕事や人間関係のストレスから逃げるように、毎日のように泥酔している。ほのかには信頼している年下の彼氏・陽がいるものの、飲酒習慣を打ち明けられずにいた。そんななか陽は仕事の都合で家を留守にすることが多かったが、しばらくは家にいることに。陽に隠れて酒を飲むようになってしまったほのかは、日に日に飲酒への欲求を抑えられなくなっていて──…!?