ＭＵＤ　マッド

あらすじ

アメリカ南部、ミシシッピ川中州にある小さな島が舞台。１４歳の少年エリスとネックボーンは、その島に潜伏する奇妙な男マッドに出会う。マッドは２人に嘘か本当か、テキサスで殺人を犯し賞金稼ぎに追われているが、町で自分を待つ恋人ジェニパーに会うため助けを借りたいと話す。興味をもった少年たちは、マッドに協力することを決めるが…。

解説現代版『スタンド・バイ・ミー』！２０１３年、６週連続全米ＴＯＰ１０入りを果たす大ヒットを記録。映画レビューサイトＲｏｔｔｅｎ　Ｔｏｍａｔｏｅｓでは９８％Ｆｒｅｓｈを叩き出すなど世界から注目を浴びた傑作である。監督は『テイク・シェルター』で世界中にその才能を知らしめたジェフ・ニコルズ。主演はマシュー・マコノヒー、ヒロインにはリース・ウィザースプーンが物語の軸を担う役柄で出演している。また『ツリー・オブ・ライフ』で名匠テレンス・マリックに見出された美少年、タイ・シェリダンや、若き日のリバー・フェニックスを彷彿とさせる新人のジェイコブ・ロフランド他、サム・シェパード、マイケル・シャノンなど豪華キャストが脇を固める。

キーワード 洋画 アメリカ ブログ掲載作品 R-12 スタッフいちおし 青春 サスペンス ドラマ

スタッフコメントデヴィッド・ロウリー、デヴィッド・ゴードン・グリーン、そしてジェフ・ニコルズ。現代アメリカ映画の中でも突出して優れた若手作家であるこの３人に共通する特徴は、いずれもアメリカ南部出身である、ということです。その中でもニコルズは、処女長編である『Shotgun Stories』をはじめ、『MUD マッド』、『ミッドナイト・スペシャル』においてアメリカ南部の風景を特に印象的に捉えた作家だと言えます。とりわけ『MUD マッド』では、映画的に分かりやすい記号としての南部ではなく、むしろこれまで映画が捉えるのを避けてきたような、隠された土地の歴史と隠された現在が交錯する一点にニコルズはキャメラを向け、そこにまるで見たことのない新たな映画的時空としての南部を浮上させます。ラブコメ女優の印象が強いリース・ウィザースプーンが初めて魅せる翳りを帯びた演技の現在性と、2017年に惜しくも亡くなられたサム・シェパードによる圧巻の渋みが体現する歴史的重さが対比され、ニコルズの画面の「新しさ」の強度を深めさせることにもなる本作、必見です。そしてとにかくいま南部がアツい！ニコルズを含めた３人の今後の活躍に注目しましょう！（スタッフT.M.）【ブログ掲載作品】