その手に触れるまで

その手に触れるまで
ぬくもりを知るとき、隣に誰かがいることの尊さを知る。胸を強く締め付ける、厳しさと優しさに満ちたラストシーン。世界の名匠、ダルデンヌ兄弟が成し遂げた偉業。
84分 / 字幕 / 2019 / ベルギー、フランス / フランス語、アラビア語
あらすじ
ベルギーに暮らす13歳の少年アメッドはどこにでもいるゲーム好 きの普通の少年だったが、尊敬するイスラム指導者に感化され、 過激な思想にのめり込む。ある日、学校の先生をイスラムの敵と 考え始め、抹殺しようとする。狂信的な考えに取り憑かれてしまっ た少年の気持ちを変える事はできるのだろうか……?
© Les Films Du Fleuve – Archipel 35 – France 2 Cinéma – Proximus – RTBF
解説
第72回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞!13歳の少年が突然囚われてしまった過激な正義。まだ世界を知らないまま、善と悪、純粋と不純を分けてしまう。どうしたら、他者を受け入れることができるのか……。“特別な子供の物語”ではなく、すぐそばにいる子供の成長を見届けるような温かさをもって、ダルデンヌ兄弟にしか描けない、普遍的でいて、これまでにない少年の成長物語が誕生した。
スタッフ
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ
監督:リュック・ダルデンヌ
プロデューサー:ジャン=ピエール・ダルデンヌ
プロデューサー:リュック・ダルデンヌ
プロデューサー:ドニ・フロイド
脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ
脚本:リュック・ダルデンヌ
撮影監督:ブノワ・デルヴォー
編集:マリー=エレーヌ・ドゾ
キャスト
イディル・ベン・アディ
ミリエム・アケディウ
オリヴィエ・ボノー
配信期間
2020/12/25 ~ 2030/03/31
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レビュー

スタッフコメント

ダルデンヌ兄弟のすべての作品は、世界によって生を否定された人々がそれでもなお自らの生を肯定せんとする闘争の純粋な記録だといえるでしょう。人間社会の薄暗い片隅に追いやられ、およそあらゆる制度に見放されたとしても決して失われることのない生の躍動とその息遣いに寄り添うようなダルデンヌ兄弟独特のキャメラワークは、フィルムからデジタルへ移行した現在もその手捌きを衰えさせるどころか、その的確な強度においてますます進化しているように感じられ、それは本作においても例外ではありません。自らの信念を追求するために、その信念の拠り所から裏切られてもなお信じることを辞めず、家族、学校、少年院といった社会制度に対して次々と反抗の刃を突き付けてゆく少年。そんな彼に憐れみと愛情を示してくれる少女にすら抵抗を示してしまうシーンにおける、二人のまなざしのすれ違いと一瞬の身振りの悲しさは忘れようがありません。闘争と逃走の果てに、遂には自身の身体すら思い通りにならなくなった少年が、残された最後の力をもって打ち鳴らすあの悲痛極まりない金属音は、人間の生を無条件で肯定するための音楽となってあたりに響きわたります。およそあらゆる言語を越えてその音楽が鳴り響くまさにその場所にこそ、神は宿っているのではないでしょうか。(スタッフT.M.)

視聴について

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