なっちゃんはまだ新宿

大嫌いで、大好き。普通の女の子“秋乃”と嫉妬から生まれた幻の女の子“なっちゃん”

あらすじ

高校生バンドPOLTAの同級生でマネージャー志望の秋乃(池田夏海)は近ごろ、同級生の岡田(河西裕介)に恋をしている。しかし岡田には他校に「なっちゃん」という彼女がいた。彼がいとおしげに話すその少女のことを秋乃はいつも考えてしまう。岡田の好きな「なっちゃん」日傘を差した「なっちゃん」。可愛い「なっちゃん」。友だちの少ない「なっちゃん」。なっちゃん、なっちゃん―――。そんなある日、自分の部屋のタンスを開けるとなっちゃんがいた。それ以来、戸惑う秋乃の前に彼女は幾度も現れ無邪気に笑う。かけがえのない誰かのように―――。

解説映画『ひらいて』の首藤凜監督が描く、普通の女の子“秋乃”と嫉妬から生まれた幻の女の子“なっちゃん”2人の行き場のない逃避行。音楽×映画の融合を競い合う映画祭で、昨今は若手映画監督の登竜門的な立ち位置もある“MOOSIC LAB 2017”出品のために撮り下ろされた本作は準グランプリ、ベストミュージシャン賞(POLTA)、女優賞(池田夏海)の3冠に輝いた。POLTAの、日常に寄り添う歌詞を着想にした物語は、好きな人の彼女への嫉妬から生まれた幻の女の子・なっちゃんとの邂逅と恋愛成就と上京による別れを描く前半の高校時代からPOLTAの人気曲「遠くへ行きたい」をブリッジとして、10年後の28歳となった秋乃となっちゃんの物語が再始動するという一大叙事詩であることがわかる。2人の奇妙な再会、忘れかけていたものを思い出した秋乃は激情に駆られるように彼女の手を取って走り出す。そしてPOLTAのライブが行われている夜、2人の行き場のない逃避行が始まるのだ。

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