- 配信期間: 2023/05/03 ~ 2030/03/31
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ホロコーストを生き抜いたあるボクサーの知られざる実話
あらすじ
1940年、第二次世界大戦中のドイツ占領下のポーランド。アウシュヴィッツ強制収容所に最初の囚人たちが連行された。その中には、戦前のワルシャワで“テディ”の愛称で親しまれたボクシングチャンピオン、タデウシュ・ピエトシコフスキがいた。到着後、すぐに待ち受けていたのは「死の選別」。労働力にならないとみなされた高齢者や病人、女性、子どもは「シャワー室」だと聞かされてガス室に案内され、二度と戻ることはなかった。テディには労働が命じられた。そこでは「77番」という“名”が与えられ、左腕には囚人番号の入れ墨が刻まれた。揃いの縞模様の布切れを身につけ、十分な寝床や食事を与えられることなく過酷な労働に従事させられていたある日、一人のカポがボクシングチャンピオンであった彼の才能に気付く。退屈して街で問題を起こしていた衛兵たちのいい気晴らしになると判断され、リングに立たされることになる。「ここでのボクシングは、スポーツではない」。テディは、司令官たちの娯楽として消費される葛藤を抱えながらも、親しくなった少年ヤネックや囚人仲間たちのために闘いを続け、戦利品として手に入れた食料や薬を惜しげもなく分け与える。彼にとってボクシングは、生き抜くための闘いそのものになっていた。死の恐怖と隣り合わせの中で、収容者たちはテディの活躍に声援を送り、ひとときでも祖国ポーランドに生きて帰る希望を持つことができた。次第に彼は、ナチスは無敵ではないのだという希望の象徴となり、囚人たちの士気を高めていくが―。
解説舞台は1940年、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所。本作は、ヒトラー占領下にあったヨーロッパ地域で最大の絶滅収容所にいながらも希望を持ち続け、アウシュヴィッツから生還した一人のボクサーを描いた衝撃の実話。本作のモデルとなったタデウシュ・“テディ”・ピエトシコフスキは、看守やカポ(囚人の中の統率者)を相手にリングに立ち続け、戦争を生き抜いた。囚人仲間たちにとっては、ナチスの恐怖を打ち破り生き残るための希望の象徴だったという。ナチズムの時代に関する名作映画は数あれど、親衛隊らの娯楽のためにボクシングをはじめとするスポーツが行われていたことはあまり知られていない。元囚人たちの証言や本人の記憶をもとに、彼が歩んできた歴史を見事に映像化。“絶滅の地”で何を思い、闘い続けたのか。世界を震撼させた“悪”を描くだけでなく、それに対抗する“希望”について描き出した。第二次世界大戦終結から77年が経ち、大戦の記憶が薄れゆく中、戦争がどれほど悲惨で人を狂わせるのかを改めて見せつけられた今年。反戦の誓いとともに、戦争によって翻弄される人々に思いを馳せる一作
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