- 配信期間: 2024/08/14 ~ 2029/06/30
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1975年のフランス。パリの5人の高校生の青春群像を瑞々しく独特のポエジーで描いた”フレンチ・グラフィテイ”。フランスの俊英映画監督、セドリック・クラピッシュが「百貨店大百科」と「猫が行方不明」の間に作った長編第2作で、監督の半自伝的な快作。94年シャムルッス・ユーモア国際映画祭グランプリおよびフィパ金賞を受賞。
あらすじ
パリのリセ(高校)の4人の同窓生のブリュノ、アラン、モモ、レオンが卒業後数年ぶりに産院で再会した。4人の親友だったトマジのガールフレンドソフィーが子供を出産しようとしているのに立ち会うためだ。待合室で4人が思い出すのは、トマジと自分たちのリセでの最後の1年のこと。75年のパリのリセ、モンテスキュー校。学園闘争がフランス全土に燃え上がっていた頃。彼らは何か行動したいと思いながら、実は女の子とのセックス願望で頭がいっぱいのそんな悪ガキたちだった。ある日バーバラという魅力的な女の子がロンドンから英語のアシスタントとしてやって来た時から、急に授業に熱心になった。デモへの呼びかけの討論で、レオンはなぜデモに行くかを話し合うべきだと主張するが、ほかの4人は女の子が行くなら俺も、というのが本音。ブリュノはトマジと夜の町へ。ドラッグを売人から買い、その友達で謎の男に連れられ、秘密のアパルトマンへ案内され、そこはドラッグ常習者たちのたまり場だった。デモの当日、広場を占拠して意気上がるが、機動隊の催眠ガスで蹴散らされる。ブリュノはトマジを援軍につけて、バーバラの家へ。彼女に誘われてキスを交わし、ベッドインするブリュノ。翌日、そのことを知ったアラン、モモ、レオンには、これまでの人生で最大のショックだ。内申書会議があり、トマジは決定的な問題児扱いで落第決定だったが、数学教師の力説のおかげで試験の結果次第ということに。バーバラの帰国の日。ブリュノは素直になれず見送りに行けなかったが、トマジに尻を叩かれて駅に着いた時には、列車は出発していた。受験直前の模擬試験の日。トマジはドラッグでラリって学校に現れて騒ぎを起こし、退校処分に。ひとりよろよろと去るトマジを、ほってはおけないとソフィーが追った……。再び産院での朝。無事に生まれた女の子を抱くソフィーを見守る4人。父親のトマジだけはそこにいない。「来週また来よう、だけど久しぶりに会ったのだから」と、彼らは近くのカフェに笑いながら去る。そんな彼らをトマジは空の上から見守っているようだった。
解説75年のパリのリセを舞台に、5人の高校生の青春群像を独特のおかしさとポエジーで描いた物語。フランスの俊英映画監督、セドリック・クラピッシュが「百貨店大百科」と「猫が行方不明」の間に作った長編第2作で、彼の半自伝的な体験が反映された。製作は「猫が行方不明」のアイッサ・ジャブリとファリド・ラウアサ。撮影のドミニク・コランほかクラピッシュ作品の常連スタッフが参加。音楽はオープニングとエンディングに使われたテン・イヤーズ・アフターの「アイム・ゴーイング・ホーム」をはじめ、ジャニス・ジョプリン「ジャニスの祈り」、ジミ・ヘンドリックス「風の中のマリー」「1983」ピンク・フロイド「光を求めて」「エコーズ」など60年代末から70年代初頭にかけて流行したロック、ポップ・ミュージックが物語に寄り添うように全編に流れている。出演はこの作品で鮮烈にデビューしたロマン・デュリス、『いちばん美しい年令』のヴァンサン・エルバズ、『天使が見た夢』のエロディ・ブーシェ、『愛人/ラマン』のリザ・フォークナー、『王妃マルゴ』のジュリー=アンヌ・ロート、「カンヌ映画祭殺人事件」のエレーヌ・ド・フジュロルや若手スターたち。 セドリック・クラピッシュにスカウトされた当時学生のロマン・デュリスが、この作品で瑞々しく映画デビュー、以後クラピッシュ作品でずっと監督の分身のように主役を演じ続けていくことになる。
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