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興の文宗・斉昂は、専横を極めていた宦官・仇子梁の成敗を試みるが失敗に終わり、名宰相・王揚も命を落とす。これが朝露の変である。8年後、文宗は崩御し、その弟・斉焱が即位するが、斉焱は「仇子梁にへつらい、文宗を死に追いやった人でなし」と民に罵られていた。その斉焱の侍衛となったのが紫衣局の執剣人・程若魚である。程若魚は、仇子梁が斉焱に怪しげな丹薬を飲ませようとしているのを知ると、思わぬ行動に出て…。
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仇子梁の目を欺くため、程兮の薬を飲んだ程若魚は半年も武術ができない体になっていたが、仇煙織と共に斉焱の狩りに同行することに。斉焱の身を守るには仇煙織を追放するべきだと考える程若魚は、仇煙織に賭けを提案。程若魚には斉焱が味方した一方、仇煙織は知恵を働かせて勝負を優位に進めていく。再び朝議を休んだ斉焱は狩りに行った先で、刺客に襲われる。どう見ても仇煙織が怪しいのだが、斉焱の分析は意外なものだった。
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お忍びで街に出かけた斉焱は、酒店で麺を食べていたところ、突然刺客に襲われる。程若魚と仇煙織は互いを疑い、推理を巡らせるが、真相は判然としない。そんな中、紫衣局は仇子梁の誕生日を祝うため、剣舞を披露することに。程若魚は仇子梁の暗殺を提案するが、程兮から命を粗末にするなと叱り飛ばされる。そして迎えた仇子梁の誕生日。紫衣局が見事な剣舞で観衆を魅了していた時、程若魚の親友・関嫵が仇子梁に刃を向け…。
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関嫵の正体は、朝露の変で犠牲になった鄭禄の娘・鄭嫵だと分かったことから、仇煙織らは鄭嫵の調査を始める。すると、鄭嫵だけでなく、程若魚の身上調書も怪しいことが判明。一方、紫衣局が怪しい動きをしていることに気づいた仇煙織は、第三の人物が一連の出来事を操っていると分析する。程若魚は、調査を打ち切ろうとする斉焱に対し、真相究明を強く求めたため、執剣人の職を解かれ、宮中から追放されてしまう。
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王揚の旧宅が将棋営の巣窟だと気づいた程若魚は中に潜入。毒を飲まされた鞍王が軟禁されていたため、鞍王を救い出そうとするが、仇煙織に見つかってしまう。一方、斉焱を襲った刺客の口封じに使われた鍼は、鄭禄が作った物だと判明。斉焱襲撃の黒幕は鄭家の子孫かと思われたが、仇煙織は意外な推理をする。一方、鞍王を救うために珖王・斉宸を訪ねた程若魚は喜びを隠せない。珖王は、かつて程若魚を救ってくれた恩人だったからだ。
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程若魚は、蔡氏を殺した者は玉真坊にいると仇煙織から告げられる。一方、斉焱もまた紫衣局の精鋭が玉真坊にいることに気づく。この2人が玉真坊で鉢合わせし、剣を交えていたところ、突如として仕掛けが動き出した。そして将棋営に見つかりそうになった瞬間、なぜか床が開いて地下に落ちる。その地下で再び危機に直面するが、程若魚は身を挺して斉焱をかばう。その姿に感動を覚えた斉焱は、程若魚に対し、徐々に心を開き始める。
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程兮は、仇煙織が事件の黒幕だと斉焱に訴えたが、斉焱は程兮がひそかに死士を養っていたことを暴き、「程若魚を執剣人に戻し、紫衣局と玉真坊を任せる」と命令を下す。一方、珖王は太皇太后の誕生祝いの式典を仕切る名目で帰京することになった。仇煙織は、斉焱と珖王が手を組んだと推理したが、珖王を8年監視していた右馬によれば、これまで珖王に怪しい動きはなかったという。実は、右馬は仏見笑という花に魅せられていて…。
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叔母の失脚で復職した程若魚は、仇煙織から協力を持ちかけられるが、すげなく断る。一方、仇子梁から珖王との関係を問われた右馬は、己は潔白だと言い残して自ら命を絶つ。仇煙織は、陰謀を企んだ珖王を殺すべきだと仇子梁に進言するが、珖王に手を出せば斉焱との戦いで不利になると一蹴される。その頃、刺客の口封じに使われた毒が河豚だと判明。実は先帝も河豚の毒で自害していたため、第三の人物は先帝の死との関係が疑われ…。
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廬従では節度使・史佺中が殺され、動乱が起きていた。そんな中、史佺中の妻・寧和郡主は鎮呉の弥紗郡主によって救い出され、帰京することに。程若魚は、寧和こそ第三の人物で、己の帰京を実現するため、斉焱と仇子梁が反目するよう画策したのだと推理する。仇子梁は表向き、帰京に同意したが、実際は寧和を殺害しようともくろんでいた。そればかりか、傀儡に甘んじない斉焱を退位させるべく、鞍王という手駒を用意する。
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仇煙織の素性を怪しむ左馬は、決定的な証拠をつかむために仇煙織の部屋を探るが、うっかり仕掛けに触れてしまい、手を毒に侵される。一方、程若魚は、玉真坊の死士が身を隠している紫雲閣へと乗り込んだ。しかし執剣人の証しである清光剣を見せても、死士を心服させられない。死士を率いるには、腕比べで勝ち抜かなければならないのだ。程若魚が苦悩していた時、珖王の侍衛・袁都が現れたことで突破口が見えてきて…。
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玉真坊の死士は寧和郡主の隊列に紛れて帰京することになった。しかし、もし郡主が命を落とせば、死士も責任を問われて死罪となる。この事態を案じた程兮は、寧和が第三の人物だという情報を仇煙織に流す。仇子梁がそのことを知れば、むしろ寧和を生かして苦しめると考えたからだ。一方、珖王はとうに玉真坊のことを知っていたと斉焱に謝罪する。その後、左馬が残した書に気づいた斉焱と程若魚は、それを利用することを思いつき…。
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仇煙織から何も聞き出せず、業を煮やした左馬が仇煙織の息の根を止めようとした瞬間、仇子梁が現れた。まんまと仇煙織にだまされた左馬は、仇煙織に白旗を掲げる。一方、程若魚は、襲撃された寧和郡主が泊まっている宿を訪れた。そこにいたのは鎮呉の弥紗郡主。程若魚が傷口を見ようとすると、なぜか弥紗に止められる。仇子梁の疑いを拭いたい仇煙織は、己の出自は本当だと釈明しつつ、女帝を目指すという野望を明かす。
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皇宮に入った弥紗郡主は、斉焱の寝宮の場所を尋ね、ひいては斉焱に会わせろとわめき立てる。さらに斉焱が催した宴では、射術の勝負を斉焱に願い出るが、程若魚が代わりに相手をすることに。だが程若魚に軽くあしらわれて逆上し、ある絶技を披露する。その技に目を留めた斉焱は、弥紗と2人きりで会うことを決意する。一方、珖王が陰で糸を引いていると考える仇煙織は、思い切って珖王に直接、第三の人物なのかと問うのだが…。
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斉焱は程若魚を紫衣局に戻して、自分から遠ざけたかたわら、弥紗郡主と街に出かけて西市を訪れる。露店で品物を選んでいると、突如として刺客が襲ってきた。刺客が廬従の令牌を持っていたことから、廬従の行商が一斉に捕縛される。実は、鎮呉の軍師が廬従の行商に紛れ込んでいることを知った仇煙織が仕組んだ策だった。一方、程若魚は夏紫苑にだまされ、鎮呉の軍師に捕まってしまい…。
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鎮呉の軍師によってさらわれた程若魚は、珖王から8年前に起きた朝露の変の真相を聞かされる。仇子梁暗殺に失敗した文宗・斉昂は珖王に皇位を継がせるべく、遺詔を書き上げ、宰相・王揚に渡すことにした。その役目を任されたのが左金吾衛大将軍・韓岳である。実は韓岳こそ鎮呉の軍師だった。韓岳は程若魚、珖王、斉焱、仇煙織を将棋営の地下へと連れていく。そして韓岳と2人きりで話す機会を得た仇煙織は、驚愕の事実を語り出す。
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かつて斉焱と王揚は仇子梁の暗殺を謀ったが、所詮宦官が振るう権力は皇帝のもの。それよりも権臣の台頭を防ぐべきだとの結論に達した。慌てて計画を中止しようとするが、訳知り顔の仇子梁に行く手を阻まれる。朝露の変から8年後、斉焱たちは復讐に燃える韓岳に捕らえられていた。程若魚は苦痛を隠して空腹だと笑い、斉焱が罪人でも味方でいると誓う。ひどい内傷に苦しむ若魚を斉焱は何とか脱出させようとするが…。
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左馬から仇煙織の正体を聞かされた仇子梁は、その真偽を確かめるべく将棋営にやって来た。そこに現れたのが復讐を悲願とする韓岳だ。すでに将棋営の仕掛けを熟知していた韓岳は、仇子梁をその地下へと誘い込む。一方、韓岳の手から逃れた程若魚は斉焱を救うため、再び将棋営へ。しかし心脈を傷つけられて弱った体では、斉焱を救えるわけがない。追い詰められた程若魚は、ある者たちの力を借りることにして…。
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珖王は即位を促されるも、皇位を簒奪し傀儡になるのは御免だと突っぱねる。火薬の爆発により将棋営の地下牢は崩れ落ち、斉焱と仇子梁は生き埋めとなった。死んだと思われた仇子梁が瓦礫の中から姿を現し、生還を祝う声が辺りに響き渡る。再び敗北を喫した韓岳は、とどめとばかりに仇煙織は王若清を装っただけだと聞かされ、その場にくずおれる。勝ち誇った顔の仇子梁と悲痛な面持ちでたたずむ仇煙織。さまざまな思いが交錯する。
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命の恩人である韓岳を裏切った仇煙織は自己嫌悪に陥っていたが、左士・厳修に励まされ、再び心を奮い立たせる。その晩、斉焱は寝言で何度もかつての許婚、李則寧の名を呼んだ。それを耳にした程若魚は落胆の色を隠せない。一方、将棋営の仕掛けについて不審を抱いた仇子梁は、仕掛け作りに関わった者たちを呼んで尋問を行った。仇煙織がもはやこれまでと覚悟した瞬間、思いも寄らぬ事態が起きる。
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斉焱は劉弥紗に続いて鞍王をも救い出し、鎮呉へ送り出した。世継ぎの誕生を望む太皇太后は程若魚の存在を認め、妃に迎えるよう勧める。若魚への想いを口にする斉焱。しかし本人に聞かれたと知るやいなや、剣客が名剣を好むのと同じで男女の情とは違うと言い捨てる。仇子梁から命を狙われている斉焱は巻き添えにしないため若魚を追い払う。一方、斉焱に河豚の汁が届けられると知った若魚は脇目も振らず皇宮へ駆け戻る。
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程若魚は朝議で廬従への出征を願い出たが、仇子梁に一蹴される。その時、李得昀が朝堂に現れ、「2か月で反乱を平定し、それができなければ官を辞する」と約束した。一方、寧和郡主は珖王の治療を受け、ようやく意識を取り戻す。斉焱は喜びつつ、これから始まる仇子梁との死闘に不安を感じ、程若魚を宮中から去らせるよう珖王に頼む。斉焱が程若魚を慕っていることを知った太皇太后は、結納品として腕輪を程若魚に贈るのだが…。
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さらに恨みを募らせた夏紫苑は斉焱を襲うも失敗。朝露の変で韓岳を救ったのは斉焱だと聞かされるも信じない。王林の手に落ち辱めを受けた記憶もよみがえり、怒りに身を震わせるのだった。寧和郡主の夫・史佺中を殺した陳胤台は、節度使に任じられるべく朝廷の使者を待っていた。程若魚は廬従に潜入する危険な役目を買って出る。危険すぎると斉焱に一蹴されたが、仇煙織の助けを借りて首尾よく都を抜け出す。
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2か月で廬従の乱を鎮めるという約束を果たせなかったとして、李得昀が罷免の危機に直面していた時、役目を果たした程若魚が現れ、李得昀には要職が与えられる。斉焱が喜んだのも束の間、仇子梁は鞍王・斉溶を皇太弟に冊封するよう斉焱に詰め寄った。すでに先手を打っていた斉焱だったが、鞍王のすがるような目を見て、ある苦渋の決断を下す。斉焱は、鞍王が仇子梁の手に落ちた経緯を考えるうち、程若魚の叔母・程兮を疑い始め…。
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斉焱は皇宮を訪れていた李則寧から、程兮が鞍王を連れ帰ったことを知らされる。すぐさま程若魚を呼び出し事の次第を問いただすが、望んだ答えは得られない。若魚は、叔母の裏切りを阻めたかもしれない、と己を責めていたのだ。口ごもりながら、報告すべきことはあるものの、今はまだ言えないと伝える。斉焱を失望させるには十分な言葉だった。失望は怒りに変わり、ついには程懐智もろとも若魚を皇宮から追放してしまう。
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ずうずうしくも皇宮に舞い戻った程若魚。劉弥紗が捕らわれていると見込み、紫衣局に斉焱と忍び込む。激しく剣を交えたあと、覆面を取った斉焱を見ても膝を折ろうとしない程兮。己が景帝・斉琥の末裔だと明かし、宦官を排除できない斉焱を無能と呼び、己の弟こそ皇帝の器だと告げる。程兮の剣を受けて倒れた斉焱は、夢の中で責めたてられる。目覚めてから若魚に去るよう命じるが、どうしても残ると言い張られ、3つの条件を出す。
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程若魚たちが弥紗郡主を救い出そうとした時、王林の配下たちが異変に気づく。夏紫苑は弥紗の替え玉となって王林を成敗することを決意。程若魚は謎の美女の助けを借り、王林の屋敷を出るが、目の前に程兮が立ちはだかり、弥紗を引き渡すよう要求した。程若魚は斉焱を守るため、泣く泣く要求をのむ。仇煙織は程若魚を訪ね、一緒に程兮を倒すことを提案。程兮と斉焱との板挟みになった程若魚は苦悩し、激しい発作に襲われ…。
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己の身を犠牲にして劉弥紗を救い出した程若魚。しつけという名目で二度と武術のできない体にすべく、仇子梁は若魚に砕骨刑を科す。けがを押して駆けつけた斉焱は、力なく横たわる若魚を抱きかかえ、そのまま皇宮に連れ帰ろうとするものの、その行く手は程兮に遮られた。しかも若魚はぬれぎぬを着せられ、その場で死刑に処せられることに。すると若魚は、絶体絶命の状況を回避する驚愕のひと言を放つ。いわく、身ごもっていると。
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程若魚のもとには、懐妊を怪しむ仇子梁から太医と市井の産婆が送り込まれた。太医は脈を操ることでだませたが、産婆のすり替えに失敗したことを知り、絶望の淵に沈む。しかし産婆が懐妊を認めたものだから仇煙織は驚きいぶかしむ。そこへ懐妊しているかどうかの回答いかんで生死が決まる“生死門”が用意され、さながら地獄絵図と化す。若魚が仇子梁の心にまいた疑惑の種は芽吹き、窮地に立たされた程兮は煙織を人質に取る。
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斉焱は、酷刑により骨を砕かれた程若魚を案じていたが、幸いにも骨が接げると聞いて胸をなで下ろす。また、仇煙織が袁醒と石渊の争いを仕組んだことで、神才軍は四分五裂の状態に。斉焱はついに念願の兵権を仇子梁から奪い取った。感無量の斉焱は、己の好物を程若魚に用意し、先帝との思い出を語る。そして恥じらう程若魚の隣に横たわり、共に一夜を明かそうとした時、突然刺客が現れ、斉焱に凶刃を振るう。
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斉焱は自らの死を悟り、程若魚に妃の位と良田を与えた。神才軍の内紛によって有用な駒を失った仇子梁。引き起こした元凶と思われるひげ面の男を捜していたが、厳修とは別人だと聞かされ釈然としないものを感じる。果たして裏切り者は誰なのか。仇煙織と右相を監視させながら、鞍王を皇太弟とする冊封式典の準備を進める。斉焱と2人、寝台の上に寝かせられ、起き上がることもできない若魚だったが、ふと指が動くことに気づく。
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