雨の中、瑞寛寺の軒下に座り込むひとりの男がいた。丈巌がその男に声をかけると、あの木の枝で首を吊るためのロープを貸してほしい、と言う。深刻な男の様子に、丈巌は青円を呼び、その悩みを聞くことにするが……。「青円苦悩」の他、これまでのまじめさとは裏腹に何かに憑かれたかのように遊び始めた佐々木家の子息への青円の助言「遊びの心」など11編を収録。知力、腕力ともに日本一のケンカ坊主。背筋を正しくさせる、その説法をご覧あれ!
スナックで諍いを始めたチンピラたちの仲裁に入った丈巌。よそ者らしきチンピラは、丈巌の前で「一度会ってみたいと思っていたぜ」とビール瓶を手刀でまっぷたつに。表へ出た丈巌とチンピラは喧嘩を始めるが、相手の出方を窺っていた丈巌はチンピラの素早い動きにあっけなく負けてしまう。チンピラは一週間後にもう一度勝負してやると捨てゼリフを残し去ってくが……。丈巌の心を鋭く見抜いた「慢心」の他、“忙”の字についての説法「忘れ物」など10編を収録。人の道を踏み外した餓鬼どもを地獄の業火から救い出す、閻魔もたじろぐケンカ坊主!!
ひなびた古い旅館にやってきた青円と丈巌。旅館の主人によれば訪ねてきた客を奥の間に泊めると、そのうち何人かが夜中に目を覚まし、幼い子供の幽霊を目撃したり、子供の泣き声を聞いたりすると言う。期せずして幽霊騒ぎとなり、その正体を調べるため青円達が呼ばれたのだった。さっそくその奥の間に泊まる青円達だが……。幽霊騒動の意外な結末を描いた「幽霊旅館」の他、人斬りという仇名を持つ短刀(ヤッパ)使いが登場する「命を惜しむ」など10編を収録。眼はヨコに、鼻はタテにがあたりまえ。己が姿の見えないヤツにケンカ坊主の折伏拳炸裂!!
ある時を境に急に頭痛や腹痛に見舞われ、実際に微熱が出るので病院に行くが、検査しても異常がない。そんな息子の状態を霊のたたりだと考えた親子が、瑞寛寺を訪れる。イジメや登校拒否などの理由もなく、青円は息子をしばらく預かることにするが……。心の病に向き合う青円を描いた「転ずる処(ところ)」のほか、アレックス・南郷の師匠としての喜納重造の心を描いた「師と弟子」など11編を収録。恋の悩みもヤクザの脅しも青円、丈巌のケンカ坊主が一挙解決!!
割れた窓ガラス、落書き、シンナーを吸う生徒……荒廃しきった学校にやってきた青円と丈巌。校長は、スポーツに力を入れていた頃はよかったのだが、学力にも力を入れて選抜クラスを作ってから、落ちこぼれが出てきて校内暴力を始めたと言う。青円達に生徒が立ち直る方策を見つけてほしいと依頼するが……。教育現場を舞台にケンカ坊主が説法する「鏡」の他、若い部下への教育方法に悩んだ会社員の悩みを聞く「警策棒の心」など11編を収録。女にフラレた男も、悪霊に取り憑かれたギャルも、スーパーケンカ坊主が万事解決!!
正月早々、着物姿の女性を目の保養にする丈巌と喜納重造。そんな2人に、青円は「大みそかに煩悩は捨て去ったのでは」と問う。はたして2人はいかにして煩悩を捨て去っていたのだろうか? 大みそかの出来事をコメディタッチで描いた「煩悩」の他、ケンカ坊主・丈巌がヤクザに敗れる!? 窮地に立たされた丈巌の運命やいかに? 「身から出た錆」など11編を収録。悩んで悩み抜いて、それでも悩んでいる人に贈るケンカ人生相談。
いい店を見つけたという丈巌と喜納重造に連れ出された青円。喜納はこの店を「酒飲みにとっての最高の修行場」と言う。そこで「ダマされるのが死ぬよりイヤだ」と豪語する社長と出会うが……。“正直者はバカを見る”という言葉をめぐる意外な人生の機微を描いた「愚か者の借金」の他、彼女を作ろうと必死になる同世代から取り残された感じを抱く若者へのアドバイス「似合わぬこと」など11編を収録。腐りきった世の中に爽やかな一陣の風。青円、丈巌の世直しコンビが大活躍!!
瑞寛寺の境内で、模試の結果をビリビリに破り捨てる女子高生・石田純子。「学生は偏差値に縛られている」と言う純子に、丈巌は「受験そのものは役に立たん……しかし、それをやることは役に立つ!」と助言する。はたしてその真意とは……? 「教えぬことの教え」の他、空手選手権大会に出場したアレックス・南郷が得たものを描いた「試合」など11編を収録。女子高生からヤクザまで、どんな人にも悟りを開かせる天下無敵のケンカ坊主!!
焼鳥屋に飲みに来た喜納重造とアレックス・南郷。彼らは店の主人から、青円と丈巌が瑞寛寺を閉めて、旅に出るというウワサが広まっていることを知らされる。寺に戻り、旅支度をしている丈巌を見た喜納は……!? ウワサは本当なのか!? 多くの人々に愛され、そして慕われてきた青円と丈巌。ふたりはいったいどこに向かうのか――。涙なしでは読めない完結編!!