出会いは平凡なものだった。中途採用で入社してきた年下の明るい女子…彼は純粋に彼女を好きになり、その思いを高めていく。初心(うぶ)な思春期の少年のように想いを秘め、ただ彼女を見つめていた。しかし、平凡ではなかったのはその女子が部長と不倫していたこと――。不純な恋に張り巡らされたオフィスの危険な罠。前島香織を惑わせ乱れさせ、東雲遥斗を狂わせ陥れた真の黒幕――小野幸哉。小野はいかに香織を愛し、いかに想いを黒く染めていったのか。香織と東雲が愛し合うに至った裏側で起きていた愛憎劇とその愛の昇華。「罠」の真相から始まる「Perfect Crime」番外編!
香織への恋心を抱く小野。しかし、香織と冬木部長の不倫関係を知ってからは、心に秘めるだけの恋だった。ただ香織の幸せを願って。そんなある日、小野の前に新人の加藤千夏が現れる。派手な容姿で男性社員を虜にしていく千夏。残業の夜、暗いオフィスで千夏は小野を誘惑、ふたりはカラダだけの関係でつながることに。そんなある日、香港支社から東雲遥斗が異動してきた。東雲の一方的な憎しみから始まった香織と東雲の関係は次第に深まり、香織は冬木との関係を断ち切る。それを目の当たりにした小野の心は黒く染まっていく。そして、小野の心の隙間に入り込んだ千夏は香織と東雲の関係を壊すべく暗躍してゆく――。
小野は香織と東雲の関係を壊すべく、千夏とともに計略をめぐらす。黒い願望は成就するが、その裏でひとつの愛が着実に深まっていた。それは千夏の小野への想い。その想いはついに制御を失い会社にも香織にも打撃を与えるトラブルへと発展する。そして小野も千夏の真の想いを知ることになる。東雲の香織への、香織の東雲への、そして千夏の自分へのまっすぐな愛を知れば知るほど、自分のような最低な人間に千夏に愛される資格はないと考える小野。千夏は別の男と幸せになればいい――そう考える小野の前に、一人の男が現れ、デザイン部に嵐を巻き起こすことになる……。
香織と東雲の関係を壊すためにあの手この手と罠を仕掛ける小野。もはや恋心とは程遠いどす黒い感情に支配された小野の傍らには常に千夏の姿があった。東雲との間にあったわだかまりが溶け、次第に自分で自分を縛った恋から抜け出しつつあった小野は、千夏の本当の気持ちに気づく。しかし一歩踏み出すことができない。そんな時千夏に一目ぼれした橋本が「部長がいらんのやったら千夏は俺がもらう」と小野に言い放ち…? 本編では描かれなかった罠の真相と小野の恋を描いた「Perfect Crime」番外編。