企画会議当日。怯む心を鼓舞したまをは、海くんのため、宮下先生のため、プレゼンに臨む。人を変えることは容易ではない。しかし、自分を変えたいと懸命に踏み出したたまをの一歩は、周りにも伝播していき……。
「僕の両親は海で死んだんだ。」橘海から明かされた衝撃の事実に、たまをは彼の名前を呼べなくなった。それでも向き合わねばならない…、一緒に歩いていくと決めたから。勇気を振り絞り聞いた彼の想いには、悲しい記憶と、優しい今が混ざり合っていた――。
海くんのおうちに家庭訪問したはずが、五十嵐家で晩御飯をいただくことになった担任の山田先生は困惑していた。そこへ帰宅した、海くんの現在の保護者であるたまを。彼女の声に、しぐさに、どこか懐かしさを覚えるのはどうしてだろう…?
花VS空。少女の淡い恋心が火種となって始まった、海をめぐる絶対に負けられない戦い。何をやっても『ごめん』で済むのなら、心は傷ついたりしない。正論をぶつける花と後悔に顔をゆがめる空。海が提示する仲直りの方法は――?
たまをが担当している漫画家の作品に興味を示した海。漫画を夢中で読む海の姿に、たまをの心にはいつの間にか不安よりもやる気が膨れ上がっていく。
宮下先生の家に飾れていた橘一家の写真から、宮下先生と海くんのつながりを知ったたまを。一方、宮下先生は親友の在りし日の記憶を思い出す――。
漫画家の宮下先生がたまをと海が暮らす家にやってきた。突然の訪問に困惑するたまをは宮下先生のある提案を聞き、大きく動揺する。しかし、その場にいた海は、静かにその提案を受け入れた――。
海くんが自分の名前の由来でもある海という場所を「好きではない」という事実をたまをから聞かされた宮下は動揺する。そんな宮下から告げられる真実。「柏木さん、海くんの両親は、海で亡くなってなんか――」
『両親は海で死んだ』そう思い込んでいた海くんは、たまをと宮下先生の会話を聞き、真実を知る。真実を知った二人の行く先に待つものは――?
悪意から漏れ出した言葉に蝕まれ続けていた橘海。海の心の枷を外し、海の笑顔を取り戻したい。決意した柏木たまをの声は震えることなく響き渡る。天にいる海の両親に、そして、海底に沈む海の心へ届くほどに――。