「一週間に一回、私は【誰か】の彼女になる」 彼女代行として日々お金を稼ぐ女子大生と彼女に魅せられた男達の、恋愛のリアルを描くビターラブストーリー。第1巻は主人公の雪を偽の彼女としてレンタルした若きサラリーマン、壮太と雪の歪な恋愛模様を描く。あくまで客と彼らの理想の女を演じる代行彼女…二人の心の距離は果たして近づくのだろうか――
17歳の誕生日大人になりたくなくて25歳までには死にたいと思った。25歳の誕生日このまま楽しく後悔しないまま30歳で死にたいと願った。30歳の誕生日死ぬ時に後悔せずにいたい明日死んでもいいように今を生きるそう誓った。そして今、死ぬこともできず生きる意味も見いだせないまま私はここにいる。第6章「What a Wonderful World」開幕――
「あの頃 確かに私は無敵だった」ただ生きているだけでお金も手に入った。ただそこにいるだけで価値を認められていた。でも、世界のすべてが素晴らしく輝いていたあの頃は今の私を救ってくれない。気が付けば私は何もないただの四十過ぎの孤独な女になっていた。誰か助けて――
「頑張って生きようね」歳をとれば大人になれると思っていた。けどそれは真っ赤な嘘で、私はずっと歳だけ重ねて子供のままだった。学ぶことも、省みることもせずただただ流され40歳を越えて。今更遅いかもしれない。何も変わらないかもしれない。それでも「世界は素晴らしい」と言えるように。私は、頑張る。第6章「What a Wonderful World」閉幕――
「これは恋愛じゃない」"普通"がわからない女と"普通"を欲しがる男。自分ではどうしようもなかった歪み。その中で生きてきた二人の出会いは果たしてどこへ向かうのか。 最終章『No Woman No Cry』人並みの幸せを手に入れるため、私達は――
「傷の舐め合いかもしれない でもそれがこんなに心地いいなんて」これまで誰にも話せなかった。誰にも理解されないと思っていた。ーー孤独を感じていた。あなたと出会えて初めて私は一人じゃなくなった。そう思えたはずなのに。
「普通なんて実は無いんじゃない?」誰かの言葉に気付かされ、誰かの言葉に救われた。私と同じ気持ちを持つあなたにも出会えた。生まれて初めて、この人生に普通の幸せを感じた。でも…この私の歪みは消えない。幸福は麻薬のようで、束の間の痛みを忘れさせてくれるけどそれを失う時の苦痛は耐え難い。それならいっそ、幸せなんて要らないんじゃ無いんだろうか--
どんなに辛く、悲しいことがあったとしてもカノジョ達は諦めない。背を伸ばし、まっすぐ前を見て歩き続ける。もちろん必ずしも全てうまくいくとは限らないけど、きっとそれでもたまには笑って生きていくだろう。強かに、逞しく。大丈夫、きっとなんとかなるよ――「明日、私は誰かのカノジョ」、堂々完結。