沖田の親友・笠崎は、単独首位の-11でプロテスト最終日・18番ホールに挑んでいた。1打目、2打目と完璧な球を打った笠崎……だが、その手からクラブがこぼれ落ち、空気を裂くような絶叫が千成ゴルフクラブにこだまする。観衆、プロテスト受験仲間、競技委員…誰もが笠崎のプロテストトップ合格を信じて疑わなかった。その矢先に、笠崎の胸部筋断裂が発覚する!!即刻の手術を必要とする程の重傷のため、プレーの途中棄権を医者に勧められるが、躊躇することなく笠崎は断る。『一日でも早く、沖田と同じティに立ちてえんだ!!』その強き思いに突き動かされ、笠崎は自らのゴルフボールを追い、一歩、また一歩、激痛に耐えながら18番ホールカップを目指す。果たして、ゴルフの神は笠崎に微笑むのか……さらに厳しい試練を与えるのか……笠崎の魂を込めた戦いの結末は如何に!!
苦節十年、リック魂の咆哮をあげる!!セント・アンドリュースのロートルキャディ達は、8番ホールから12番ホールを悪魔の棲む岬と呼ぶ。予測不可能な風が絶えず舞うこの岬で、沖田は8番ホールをトリプルボギーとした後に、9番ホールでチップインバーディを取る。生まれた時から身についているパフォーマンス性の強さを見せるが、不安定なゴルフは続き、首位リックとの差は7打差まで開く。首位を走るリックは、運命という無責任な言葉を嫌ってきた男だった。女神の悪戯も悪魔のせせら笑いにも心を揺るがす事はなく、積み重ねてきた自分のゴルフに忠実な男だった。しかし、フェスキュー草が茂るラフからの一打から新たな試練がリックにのしかかる!!
優勝を手繰り寄せる一打を放てる者は?スコットランド人として64年振りとなる全英オープン優勝を期待され始めたリック・スチュワート。観客のボルテージが上がる12番ホール・ティグランド。リックは完璧なティショットを放つがバンカーにつかまる。不甲斐なさから激高するリック!!アンガス侯爵に見放され、世間から変人と批判され、友にも見捨てられた孤高の男に寄り添う者はもうブロディしかいない。リックは再び人に心を預けられるようになるのか!?
沖田の心に宿る“挑戦”という信念。「戦略を考えると眠れなくなる……」出場したプロ全員がティショットでアイアンを選択し、ボギーで凌げれば万々歳と思える13番ホール。沖田はティショットをドライバーで振り抜くが、コース内で最も深いとされるラフに入れてしまう。首位リックに迫るにはどうしてもこの13番ホールでバーディが欲しい……沖田の焦りはとんでもない不運を呼び込んでしまうことになる。それでもひたすら前を向き続け、勇気を目一杯詰め込んだ熱球を打つ!!
夢、尽きるまで。沖田圭介は進む。その時、ゴルフの聖地セント・アンドリュースの空気が揺れた――14番ホール第2打地点で、首位リックと4打差の沖田は2アイアンを選ぶ。沖田が刻みに徹したプレーをするものとばかり、皆が思っていたところ………放たれた球はカップイン!!アルバトロスという異次元の出来事に度肝を抜かれた観客達。ゴルフの聖地は大歓声に包まれる。その光景を目の当たりにしたリックやウォーレンの目の輝きが増したのは言うまでもない――呼応する男達が放つ球が描く放物線は、無我の境地に至る者が故の軌跡か。