父親を拉致されたマイケル。遺恨勝負をマイケルに挑まれているバリー。己のゴルフに邁進する単独首位の沖田圭介。最終組3人はそれぞれの思惑を抱きながら、オーストラリアオープン・決勝ラウンド最終日の7番ホールに立つ。ピンがしなるほどの風、経験も勘も全く役立たないほどの強風が吹き始めた時、男達の思惑は狂い始めた。その様子を黒服の男がギャラリーに混じって、じっと伺っている……そして隣に立つ強面の男にそっと耳打ちをした……「用意は出来たか?」と一言。復帰第一戦、沖田は優勝を飾る事が出来るか?勝負は佳境に入っていく。
苦節十年、リック魂の咆哮をあげる!!セント・アンドリュースのロートルキャディ達は、8番ホールから12番ホールを悪魔の棲む岬と呼ぶ。予測不可能な風が絶えず舞うこの岬で、沖田は8番ホールをトリプルボギーとした後に、9番ホールでチップインバーディを取る。生まれた時から身についているパフォーマンス性の強さを見せるが、不安定なゴルフは続き、首位リックとの差は7打差まで開く。首位を走るリックは、運命という無責任な言葉を嫌ってきた男だった。女神の悪戯も悪魔のせせら笑いにも心を揺るがす事はなく、積み重ねてきた自分のゴルフに忠実な男だった。しかし、フェスキュー草が茂るラフからの一打から新たな試練がリックにのしかかる!!
優勝を手繰り寄せる一打を放てる者は?スコットランド人として64年振りとなる全英オープン優勝を期待され始めたリック・スチュワート。観客のボルテージが上がる12番ホール・ティグランド。リックは完璧なティショットを放つがバンカーにつかまる。不甲斐なさから激高するリック!!アンガス侯爵に見放され、世間から変人と批判され、友にも見捨てられた孤高の男に寄り添う者はもうブロディしかいない。リックは再び人に心を預けられるようになるのか!?
沖田の心に宿る“挑戦”という信念。「戦略を考えると眠れなくなる……」出場したプロ全員がティショットでアイアンを選択し、ボギーで凌げれば万々歳と思える13番ホール。沖田はティショットをドライバーで振り抜くが、コース内で最も深いとされるラフに入れてしまう。首位リックに迫るにはどうしてもこの13番ホールでバーディが欲しい……沖田の焦りはとんでもない不運を呼び込んでしまうことになる。それでもひたすら前を向き続け、勇気を目一杯詰め込んだ熱球を打つ!!
夢、尽きるまで。沖田圭介は進む。その時、ゴルフの聖地セント・アンドリュースの空気が揺れた――14番ホール第2打地点で、首位リックと4打差の沖田は2アイアンを選ぶ。沖田が刻みに徹したプレーをするものとばかり、皆が思っていたところ………放たれた球はカップイン!!アルバトロスという異次元の出来事に度肝を抜かれた観客達。ゴルフの聖地は大歓声に包まれる。その光景を目の当たりにしたリックやウォーレンの目の輝きが増したのは言うまでもない――呼応する男達が放つ球が描く放物線は、無我の境地に至る者が故の軌跡か。