モロッコで開催されたハッサン国王2世トロフィーも最終日を迎えた。常に完璧なゴルフを求めてきた沖田にとって、何か一つでも崩れた時の代償は大きいのかもしれない…………スウィングできぬ程、クラブを重たく感じる。ダンベルを持つかのように球を重たく感じる。一つ一つ丁寧に技術を磨き上げてきた沖田のゴルフが崩れ始める!?心の声を知るは己のみ――――ゴルフ人生始まって以来の危機が沖田に襲いかかる!!
日本プロゴルフ選手権最終日3番ホール。沖田は、だんだん強くなってくる風の動きを読もうとしていた。プレーを始める気配がない沖田に、彼のキャディをしている長谷川博は苛だち、沖田になにかとつっかかる態度をとってしまう。
17番ホール、林の中からの沖田のショットは、そのままカップに落ちた。ピンチを感じたジャンボ尾崎は、慎重にパットを決め、かろうじて首位を守った。一方、鹿沼でテレビ中継を見ていた鹿沼のグリーンキーパー、小平は、秋田にいるはずがない娘、明美の姿を目撃してしまう…。
7月上旬、全英オープンを3日後に控えた沖田は、雨の中、最後の調整をしていた。練習の様子を見にきた笠崎は、気をきかせ、物部父娘を鹿沼に呼ぶ。沖田は、麗子と静かな語らいの時を過ごした。
沖田は9番ホールの第2打で、ミスショットをし、ボールをグリーン左の茂みの中に落としてしまったものの、第3打でグリーンの上に乗せた。トップの成績である河内は、順調にショットを決めていった。
全英オープン3日目、決勝ラウンド。沖田は日本人ゴルファーである河内と回ることになった。河内は、実績が浅い沖田と回ることに反発を隠しきれないでいた。そして1番ホール。沖田の第1打は深いラフの中に落ちてしまった。
12番ホールでの深いラフからの沖田のショットは、強い風に流され、フェアウェー横のラフの中に落ちた。ロストボールになるかも知れない状態であったが、野菊の花びらがかろうじてボールを支えており、見つけることが出来た。少しでも草が揺れるとボールが落ちてしまうような微妙な状態であったが、沖田は絶妙のショットを決める。
ターンベリーでの全英オープン最終日、4番ホール。向かい風が徐々に強くなっていった。沖田が放ったアイアンショットは、ミスと言えるものではなかったが、曲がってしまい、レスキュー草の中に落ちてしまった。続くノーマンは、ベテランらしくボールを上手くグリーン上に乗せる。ノーマンのショットを見た沖田は、向かい風の時の打ち方を勉強した、と嬉しそうにリリィに伝えるのだった。
ターンベリーでの全英オープン最終日、16番ホール。ノーマンのボールはピンまで残り71ヤード。フォロー風のため距離感がつかめず、サンドウェッジでもフルショットが出来ない状況だ。しかし、ノーマンは臆することなくフルショットし、ピン横につける。このショットを見た沖田はノーマンともっと戦いたい、そして勝ちたいと強く思うのだった。
全英オープンの最後のパットを奇跡的に決めたことで沖田は、トップのノーマンと並んだ。あとは、ノーマンが5mのパットを決めるか、外すかで勝負が決まる。ノーマンの優勝か?プレーオフか?ノーマンの注目のパットが、今打たれた!!
全英オープン準優勝の直後、キャディを務めたリリィを突然の死で失った沖田。その悲しみを乗り越え、全米プロ選手権出場のため、アメリカに向かった。しかし、いくら練習してもスイングはバラバラ。傷心の沖田は、毎晩一人で下町のジャズハウスに向かい、沖田は酒を飲むわけでもなく、ひたすらサックスの演奏を聴くだけであった。