野球部再建の再建の夢を霞高に入学した天野光一、着実に夢は形を成し、かつて氷介とチームメイトだった梶に監督就任を依頼、了承を得る。現在、部員は8人まで集まった。その梶が9人目に指名したのは、兄を氷介に殺されたと信じ、光一を、野球を強く憎み続ける野村鉄男だった。
天野光一は横多中学時代、野球部のエースとして活躍し、中国地区優勝という輝かしい実績を持っていた。そして数々の強豪校から誘いを受けるが、それらを全て断って、野球部のない横多町立霞高校への入学を決める。それは、幼い日の固い約束を実現させるための行動だった。しかし「野球部員募集」の貼り紙を掲げたとたん、教師たちの強い反発に出会う。霞高校にもかつて野球部は存在し、数年前には好投手・三雲氷介を擁し、甲子園予選準決勝にまで駒を進めるほどだった。ところが決勝前夜、氷介の恋人で野球部のマネージャーでもある沙川雪が、同じ野球部員から暴行を受ける。それを助けようとした氷介は、相手に重傷を負わせ、そのため野球部は出場を辞退、さらには廃部にまで追い込まれしまったのだ。二人とは幼なじみだった光一は、彼らを兄、姉のように慕い、事件の現場にも居合わせながら何もできなかった償いの意味も込めて霞高校に入学、野球部再建を誓ったのだった。
瞳と小宮を連れ、県下の野球名門校・浜野学園を訪れた光一。そのグラウンドでは、浜野学園の強打者・菊地と、エースの沢木が記者たちの質問に答えていた。光一はふたりに簡単に挨拶すると、浜野のキャプテンに「誰かと勝負させて欲しい」と願い出る。キャプテンは反対したが、偶然通りがかった監督がそれを許可。光一は、菊池と1打席限りの勝負をすることとなる。はたして、光一の真意は……
光一、梶、沼田の3人が野球部復活について話し合う居酒屋。そこへ、町の実力者で野球部復活反対派の村山親子が現れた。「部復活の動きを止めないと周りに泣く人間が増える……」。彼らに脅された3人はくやしい気持ちでいっぱいになる。さらに次の日、校長室に呼びだされた光一は、校長から絶望的な結果を聞かされることに。
「自分は人を刺し、警察から逃げている身だ」と梶に告白する波子。立場上、梶は「光一たちに迷惑がかからないうちに、この町から出てほしい」と彼女に頼む。翌日、波子は理由を隠したまま光一に別れを告げるが、光一のショックは想像以上に大きくて…
暴力団・大村組を抜けるために一千万円の手切れ金が必要な氷介は、どんなやっかいな仕事でも引き受け、容赦なく暴れていた。そんな氷介を、これまで見守ってきた山根刑事もついにさじを投げ、「次は遠慮なく捕まえる」と言い放つ。
夏の甲子園に向けての島根県予選。ベスト8まで勝ち進んだ霞高は、準々決勝で「島根のマグワイア」と呼ばれる強打者・五十嵐のいる社宮高と対戦する。五十嵐の狙い球は、光一の決め球であるインハイのストレート。光一は、かつて氷介に言われた「本物のバッターは、相手ピッチャーの一番自信持ってる球を狙ってくるもんだ。だから本物のピッチャーは、一番いい球を投げなくちゃならない」という言葉を思い出し、あえてインハイのストレートで勝負を挑む。
夏の甲子園に向かっての島根県予選決勝戦で、浜野学園と対戦中の霞高。その試合の外野席に、なんと行方不明だった雪の姿が!そして、雪は氷介との間に生まれた子供で、3歳になる健太を連れていた。隣で一緒に観戦している山根に、これまでのことを語る雪。密かに雪が自分を見守っていることを知るはずもない光一だが、マウンド上では好投を続ける。
夏の甲子園に向かっての島根県予選決勝で、惜しくも敗れてしまった霞高。野球部は来年の夏に向けて新たなスタートを切るが、多くのメンバーが光一の厳しさについていけず、練習に出てこなくなってしまった。そんななか、光一は小宮、梶監督と共に、インコース打ちが苦手な野村の特訓を、来る日も来る日も続ける…。
島根県秋季大会3回戦。益田川高校のエースで、自分にとっては中学時代の後輩でもある池内の好投に刺激され、光一も右肩の激痛に耐えながら渾身のピッチングをする。そして0対0で迎えた5回裏、益田川高の攻撃途中、光一の肩はついに限界に達してしまう。光一の手を離れた白球は、ホームプレートの手前に力なく落下。甲子園への夢は、ここで途切れてしまうのか…