北の街、札幌に60年続く古い下宿館がある。その名は「麒麟館」、夢と希望に輝く若者の家だ。名物大家のこるり婆さんが逝ってしまい、曾孫の妙が管理人としてやってきた。引っ越しの日、妙は道で家出した人妻・菊子を拾うが、彼女の夫・宇佐美秀次は妙の初恋の男だった…!!北海道の四季を背景に、せつなく苦い、愛と友情と青春の日々が始まる!!
妙と菊子は深い友情で結ばれていた。妙は、秀次を軽蔑しつつも強くひかれていた。菊子は、秀次の対となる相手は自分でなく妙と知っていた。そして、秀次に愛することを知って欲しいと願う反面、意識の下に憎悪を堆積していた……。
いったんは火野を拒絶した菊子だったが、すべてを吐き出すことで火野への愛に気づき、彼の愛を受け入れ始めた。一方、妙は秀次への想いを残しながら、恋に疲れ、なげやりな気持ちで秀次の兄・館林と婚約してしまった妙は、菊子の説得でもう一度、自分の恋を戦う決心をする。
火野は菊子に求婚した。だが、幸福な家庭という夢を信じ始めた菊子に悪い知らせが届く。秀次は妙を愛していることを認めたが、やり残したことがあると言う。冬の初め、永住の地スウェーデンに旅立つ日、秀次は菊子を雪の中にさらっていった。心を揺さぶる愛の傑作、最終章!!