東京大空襲、硫黄島守備隊の壊滅、そして沖縄本島への上陸作戦開始と、日本の戦況がさらに悪化の一途を辿るなか、満州では田鶴組のキャストとスタッフたちにより、渾身の映画製作が進められていた。そして、ついに迎えた撮影終了の時。そこには、日本人と満州人という人種を越え、同じ製作現場の人間として新しい映画の誕生を祝う者たちの姿があった…。
険しい旅路の果て、龍が甘粕正彦のもとへ持ち帰った皇帝の秘宝“黄龍玉壁”。甘粕は玉壁に秘められた情報と交換に、ソ連から満州国存続の確約を得ようと目論んでいたが、玉壁が納められているはずの箱の中には何も入っていなかった。空となった鉛の匣(はこ)を前にして、甘粕が龍を問い詰めると…!?
ソ連軍の満州侵攻が間近に迫った1945年8月8日。龍は、退避勧告が届いていない遠隔地の開拓村の住民を救うため、飛行機によるピストン輸送を請け負っていた。だが、日没で周囲が暗闇に包まれていく中、定員以上の乗客を抱え、投光器すらない滑走路への着陸を強行することになり…。