才能を失ったシロネだったが、それでも変わらず薬師として働くことを選んだ。師匠は去ったものの、ミナリスたちと過ごす日常は相変わらず賑やかで、時折友人の訪れもある。しかし、シロネにはひとつだけ心配事があった。それはミナリスに関するもので…。
ミナリスと初めて料理を作り、絆を深めたシロネ。師匠への手紙も投函し、あとは返事を待つのみ…かと思いきや、ポストに入っていたのは領主からの依頼状だった。急な依頼に戸惑うシロネだったが、徹夜で頼まれた薬を完成させる。一方、一足先に屋敷へ戻っていたミナリスは、シロネと離れ離れになったことに不安を感じ…。
家から忽然と姿を消したシロネに、慌てるミナリス達。シロネは依頼主である領主の屋敷で目を覚ます。すべては師匠の仕組んだ事であると察したシロネは、師匠に会わせてもらう代わりに依頼を請けることに。依頼内容は領主の妹の”居眠り病”を治療することだったが、実はそれは病ではなく呪いで…。
領主の依頼を達成したシロネは、師匠・オリヴィネと再会を果たす。オリヴィネの作った「中庭」と呼ばれる異空間に招かれ、シロネはそこでオリヴィネの正体と目的について知らされることになる。さらに、ミナリスの呪いを解きたいと願うシロネに対し、オリヴィネはひとつの提案を持ちかけるが…。
呪いを解く方法を探す代わりに、師匠オリヴィネが出した条件は「自分が創る新しい国へ共に移住すること」だった。ミナリスたちのもとへ戻ったシロネは、ミナリスの幸せを思い彼のそばを離れる決意をする。シロネの様子が可笑しいことに気づいたミナリスは、オリヴィネに会おうと考えて…。
師匠・オリヴィネが作り出した異空間に閉じ込められたシロネとミナリス。二人はそれぞれ、究極の選択を迫られることになる。シロネはミナリスの呪いを解くため、手渡された薬を飲み、長命種として生きる覚悟を決めるが…。その結果は、予想だにしないものだった。