夢クジラのグルーの力で、いつでも好きな夢が見られるカブ。ところが三つ子はそのことを信じてくれず、カブをバカにしてばかりです。カブは三つ子をビックリさせてやりたくて、ポロンの友だちの夢クジラ・グルーに、彼らと同じ夢を見せてくれるように頼みます。その夜、グルーと再会したポロンは、カブやダブダブや三つ子たちと一緒に夢の世界に出かけます。大喜びで遊ぶ一行は、青く沈んだ一画に、茨に囲まれたオーロラの谷を発見するのでした。祭壇に祀られていた宝石箱に入っていたのは、小さな石ころ。がっかりしたカブは、つまみ出して無造作に捨ててしまいます。もしかすると大事なものかもしれないと気になったトン吉が、元に戻そうと拾い上げるのですが…。
今日はすみれちゃんの誕生日。誕生パーティーに呼ばれたよし子ちゃんは、キレイな服を着たお友だちが高そうなプレゼントを渡すのを見て、自分の家の貧しさをみじめに思うのでした。帰り道、ひとり公園の滑り台に座り落ち込んでいるよし子ちゃんの前に、夕焼け空から光がおりてきて、青い髪の女の子に変わります…。数日後、サリーちゃんの家に三つ子がやって来て、よし子ちゃんの様子がおかしいと訴えます。父ちゃんに逆らったり、冬だというのに冷たいものを食べたり、氷風呂に入ったりしているというのです。すみれちゃんも、よし子ちゃんの様子は確かにヘンだと言います。確かめに行ったサリーちゃんは驚きます。よし子ちゃんが父ちゃんのタクシーを壊し、あろうことか魔法まで使い始めたのです…。
人間界での生活を終えたサリーちゃんは、魔法の国アストレアに帰り、王位を継いで女王になることになった。ところがいよいよ戴冠式というその日に、人間界で親友だったよし子ちゃんのお父さんが事故を起こして入院し、仕事に使うタクシーも廃車になってしまう。途方に暮れたよし子ちゃんは、すみれちゃんと共に、友情の証としてサリーちゃんにもらったペンダントに願いを込めて魔法の国に助けを求める。二人の願いはペンダントの魔力によって光となり、サリーちゃんのもとへ届く。親友の窮地を救うため、サリーちゃんは戴冠式を抜け出して再び人間界を訪れる。魔法の国の掟によって、よし子ちゃんたちの記憶は消されてしまったけれど、友情は何度だって育て直すことができる…。こうしてサリーちゃんの、人間界での新しい生活は始まるのだった。
魔法の国のお姫さま・サリーはある日、窮屈な日々の生活から抜け出して、かねてから興味を持っていた人間界へと飛び出していった。人間界では当たり前のことだって、サリーにとっては目新しいものばかり。魔法界からは使い魔のカブが連れ戻しに来るけれど、楽しくてたまらないサリーは帰るつもりなんて全くない。デパートに入ってみた彼女は、そこで花村よし子、春日野すみれという2人の女の子と出会う。サリーは自分が魔法使いであることを隠しながら、“夢野サリー”として2人と同じ学校に通うことにした。楽しく変化に富んだ学校生活の中で、時にコミカルなドタバタを、時に息詰まるサスペンスを繰り広げ、そして時には人々との切ない触れ合いを体験するサリー。そんな彼女の生活は、魔法界にいては決してわからない、魔法の使えない普通の人間生活の素晴らしさを学んでゆくことに他ならなかった…。