昭和30年7月、土砂降りの雨の中を走る路線バスの中に、ロープで繋がれたびしょ濡れの男たちがぞろぞろと乗ってきた。全部で6人、16、17歳の少年たちは、異様な不気味さで立っていた――。
横須賀丈(通称:ジョー)にはメグという妹がいた。施設の園長から妹の里親が決まったと聞き、「早くここを出て、妹に会いたい…」と話すジョー。それを聞いたスッポンは「俺が会わせてやる」という―。
看守の石原は、唯一ほかの少年らと距離を置く野本(通称:バレモト)を呼び出し、桜木(通称:アンチャン)の罪状を告げた。バレモトは、少年らの前でアンチャンを「人殺し」と呼び、一同は困惑する。その時、図書館から火があがり、非常ベルが鳴り響いた―。
二舎が火で包まれる中、二舎六房内にいた水上真理雄(通称:マリオ)、松浦万作(通称:キャベツ)、遠山忠義(通称:ヘイタイ)、ジョー、スッポンの5人は房内に閉じ込められていた。絶望的な思いでドアを見つめていた先に、アンチャンが5人を助けにやってきた。一方、バレモトは裏庭で六房の鍵を見つけ――。
丘の上の楠の巨木に将来の夢を書いて、再来年の夏、また七人で集まろう――。最後に文字を彫ることになったマリオは「みんなの夢がかなえばいい」と文字を彫った。一方で、火事の一件で担当を外された後に復帰した石原は、担当医の佐々木と共にある計画を企てていた。
石原の仕打ちに耐え続けたアンチャンだったが、次なる試練は仲間たちへの暴力による挑発であった。暴力を阻止したアンチャンを独房に連れて行った石原は、ニタリと笑いながら呟く。「・・・てめぇをシャバに出すわけにゃ、いかねぇんだよ」
独房内ですっかり衰弱した桜木。一方で、桜木を救おうとした看守の熊谷は、佐々木と石原の陰謀により命を落としてしまう。その中、退院することになったマリオは熊谷の死を知る。「アンチャンを石原なんかに殺されてたまるもんか。絶対にアンチャンを助け出す――。」少年院に戻る朝焼けの中、マリオは誓った。
バレモトの立てた計画により、ジョーが医務室に潜み、深夜に戻ってきて六房の鍵を開けることに。ジョーが医務室に行くということは、佐々木に弄ばれることを意味していた――。無事に鍵を持って六房へ向かったジョー。脱出作戦のはじまりだった。
脱出した4人は節子の元を頼っていた。一方で残ったバレモト達3人は、脱走に逆上した石原と佐々木に始末されようとしていた。その時、ジョーが少年院に戻ってくる。残った3人を心配したアンチャンが一計を講じていたのだ。スッポンは街で会ったリリィから、米軍の賭けボクシングの開催を知らされ、マリオに出場を促す―。
賭けボクシングの敗戦から数日、マリオは次回の試合に向けトレーニングを開始。スッポンは洋モクを街で捌いて金を稼いでいた。戦争で家族を亡くしていたスッポンのため、節子の提案で4人で記念撮影をする事に。しかし、その幸せそうなマリオ達を遠くから見つめている男がいた―。
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