私は田中。24歳。高校教師。恋人なんかいらない。結婚とかしたくない。乙女ゲームの推しキャラ「春夏秋冬」君がいればそれで幸せ……だったのに! ある日突然、教え子の村井君が春夏秋冬君そっくりに大☆変☆身☆ しかも推しの顔で「田中先生と結婚したい」とか言い出して、ダメ、ムリ、しんどい……!!
神絵師が描いた春夏秋冬君のイラストに感謝のマッハ土下座をしたり、補習中に私をガン見する村井君に追い詰められたりしつつ、始まった夏休み。春夏秋冬君の発行物を回収するため夏のオタクの祭典に乗り込んだ私は、そこで恐ろしいものを目撃する。逃げるんだ田中。早くここから離れないと……心臓が寿司にされちまう!
春夏秋冬君のコスプレをした村井君を見て、私は悟った。私はからかわれていたのだ。私の好きな人と顔が似てるのをいいことに、ずっとバカにされていたのだ。ショックのあまり泥酔した私は、うちの学校の生徒に怒鳴られて我に返った。そうだ、村井君に会わなければ!走れ、田中!! あと富岡清史郎。お前誰だよ。
私の名前は福永弥生。由緒ある老舗昆布屋の娘。私には片思いしている幼馴染の男の子がいる。彼のお嫁さんになりたくて、私は体に染み付いたゴリラの魂を封じ込め、可愛くなって帰ってきたのに……再会した彼は年上の女性を好きになっていた。彼が好きな人を夏祭りに誘って断られたと知った私は……。
夏祭りの会場で逃げる田中先生を捕まえた僕(村井)は、先生と一緒に夜店を回って、花火を見て、感極まって抱きしめて……。これで二人の距離が縮まったと浮かれていた矢先、いきなり現れた見知らぬ男が先生に抱きついた。誰だよその男は!えっ、先生のお兄さん?お義兄さん、妹さんを僕にください!!
ここ最近、村井君はやけに疲れている。何があったのか調べてみると、村井君は私のほっぺたを食べるためゴリザップで体を鍛えていた。それを知った時、私の脳内で腎臓が謀反を起こし、感極まった私は彼をハグ(?)してしまう。それを目撃したやよちゃんという美少女が、いきなり村井君に告白して、私を問い詰めてきて……。
ついに始まった文化祭。会場受付をする私――西藤悠加の元には、いろんな噂が聞こえてきた。謎の体調不良でダウンする生徒たち!暴走するクソチート桃太郎!追うメイドと逃げる平井さん!ノリノリの文化祭実行委員会!そして学校一の強者を決める武闘会の決勝戦で、村井さんと田中先生のお兄さんの戦いについに決着が…!
新作ファンディスク「戦国恋絵巻~儂の世継ぎを産んでくれ~」の発売日、田中先生が学校を休んだ。まさか……田中先生は学校を休んで春夏秋冬と世継ぎを作っているのか!?真相を探るべく学年主任の山門先生を問い詰めたら、逆に僕と田中先生の関係を疑われ、ごまかすために僕はやよちゃんと恋人のフリをすることに……。
オレ(山門)は、酔い潰れた田中を部屋に連れ帰った。深夜に田中を押し倒したり、二人で朝帰りする現場を生徒に目撃されたりといろいろあった後。修学旅行初日、バスで出発早々オレは、田中と村井が二人きりで置き去りにされたと連絡を受ける。田中に電話をしてみると……いや何息切らしてんの?何してんの?
修学旅行最終日の夜。宿を抜け出した生徒を探して、私(田中)は山門先生と二人で流星群が見える丘に向かった。夜道を歩きながら私は母への想いを語り、話を聞いた彼は私の頭をぽんと撫でてくれて……。ほ、惚れてしまうやろがい、こんなん!そんな私たちを村井君が遠くから見ていたことに、私は気付いていなくて……。
田中と村井が抱き合う姿がテレビで放送されて、学年主任のオレ(山門)に二人の処分が全振りされた。二人の関係をごまかすために、オレは校長の目の前で田中にプロポーズする。村井がショックで石化して寝込む中、オレは田中を食事に誘い、彼女の家に上がり込んで……。
村井の記憶を見た。村井が彼女と出会い、恋に落ち、別れ、再会して、運命に立ち向かう記憶だ。これまでの出来事は、村井が一から運命を切り開く物語だった。そして僕――春夏秋冬は、夢の中で村井と対峙する。立て、村井。目を覚ませ。君が報われない現実を僕は許さない。わかったら起きろ!!
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