35mmフィルムで撮影されたフロリダの美しい景色、色彩豊かな建物が印象的な映画。「貧困」という重たいテーマを扱いながらもポップさがあり、観やすかったです。子供のムーニーの目線でカメラを回しており、ローアングルを多用しています。おかげで観ているうちに視聴者も子供に帰ったような視点で楽しめる。友達とイタズラをして遊んだり1つのアイスを分け合って食べたりと貧しいながらも楽しく思えてきます。しかし所々大人の目線になるとムーニーが置かれている「普通の暮らし」とはかけ離れた現実が顕に。観ていて思わずハッ!となりました。母親のヘイリーを演じるのはブリア・ヴィネイト。なんと彼女は演技未経験、しかもショーン・ベイカー監督がたまたまインスタグラムで見つけてオファーしたというのだから驚き。初演技とは思えないほど役にハマっていました。体のタトゥーが本物なのもビックリ!子役のブルックリン・キンバリー・プリンスちゃんの演技も凄い良かったです。それから安モーテルの管理人として子供たちを見守るウィレム・デフォーも流石の貫禄。この映画で唯一感情移入出来るキャラクターかもしれません。マジカルエンドと謳っているラストシーンは賛否両論分かれますが、映画の舞台がディズニー・ワールドの傍だというのを考えると終わり方も妄想は膨らみます。ぜひご覧ください。ちなみにタイトルの「フロリダ・プロジェクト」とは、ディズニーによるテーマパーク開発計画の意味と、「低所得者向け公共住宅」という意味があります。
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