祝日

祝日
90分 / 2023 / 日本 / 日本語
あらすじ
「弱いパパでごめんね」一言だけのメモを残し、優しかった父は死んだ。そして母は壊れて消えた。家族も友達も、いない。14歳の奈良希穂は、中学に入ってからずっと孤独な一人暮らしをしていた。ある日、学校の屋上で自称天使と出会い「人生最期の1日」を共に過ごすことに。何気ない1日の中で次々と現れるへんてこな人々の心の機微に触れ、希穂の世界は静かに揺り動かされていく。最期と決めた1日の終わりに彼女を待っていたものとは―。
©「祝日」製作委員会
解説
新型コロナウイルスの収束がまだ見えなかった2021年の冬。本作監督・伊林侑香(いばやし ゆか)の前作「幻の蛍」編集作業の最中に、新たな映画の企画打ち合わせは行われた。1年後の2022年1月、「幻の蛍」の伊吹一(いぶき はじめ)氏による完全オリジナル脚本のもと、人間と天使が人生最期の1日をともに過ごすストーリーが誕生した。ファンタジー要素を取り入れつつ「両親を失った孤独な少女」と「陽気で明るい性格の天使」といったキャラクターの方向性が決まり、主人公の少女が自殺を思い立つほどの辛い経験とはどんなものなのかを深掘りしていく過程の中で、あの「統一教会」の事件が起こる。事件後、親に信仰を強いられた宗教二世の子どもたちが「この問題について知って欲しい」と、さまざまな媒体で声をあげた。家庭環境が子どもの成長にとってどれだけの影響力があるかは計り知れない。今もなお、同じ状況にいる少女がいるのではないか? その子の救いになるような作品を作れないか? そんな思いから、主人公・希穂のバックボーンは作られていった。優しかった父の自死、母は宗教に入信し蒸発、それはのちに、天使を嫌う希穂の姿に深みを持たせることとなる。ロケ地の選定はとても時間のかかるプロセスだった。色味にこだわり、綿密なロケハンを繰り返し行った。希穂と天使の衣装は、色味を無くしたものを選び、反対に街の景色にはカラフルさを求めた。遊具の位置や色味などを意識した動きのイメージを持ちながら、射水市から富山市までの公園を巡りロケ地を選定。メインとなる内川沿いをはじめ、希穂の住むアパート、街の人と出会う場所、遊具や看板、面白いオブジェなど、さまざまなものが映り込む面白い画づくりを心がけた。そのこだわりは「希穂が生きる小さな世界の外には、多彩で面白い要素で満ちあふれた広い世界がある」ことを表現したい監督の強い想いの表れでもあった。キャスティングは富山で行われたオーディションを経て、南砺市在住の新人俳優・中川聖菜(なかがわ せいな)を主演に抜擢。中川は本作が映画初主演となる。また作品のキーパーソンとなる天使役に、第32回高崎映画祭最優秀助演女優賞受賞者の俳優・岩井堂聖子(いわいどう せいこ)へオファー。へんてこな街の人々には、NHK大河ドラマなど幅広い作品で活躍中の芹沢興人、俳優だけでなくモデルや雑誌でも才能を発揮する中島侑香(なかしま ゆうか)、そして富山を代表するベテラン俳優の西村まさ彦(にしむら まさひこ)など、実力派の俳優陣が新人俳優の脇を固める。撮影には富山市出身の伊林侑香(いばやし ゆか)監督を筆頭に「幻の蛍」に参加した富山出身者スタッフが多数集結。物語の舞台となる秋の富山は、大変美しい季節でありながら非常に天候が不安定なこともあり、瞬く間に雨から晴れ、また逆戻りということが頻繁に起きる。1日の物語を描く上で統一感が出るよう、天候に翻弄されながらもスタッフ一丸となって撮影は敢行された。しかし、この壮大で豊かな情景とうつろいやすい空は、そこに生きる思春期の少女の儚く揺れ動く心情とリンクし、よりリアル響くものとなった。天使と過ごす最期の1日を経て、少女は「死」と向き合いながら、生きる幸せや温もりを見つけていく。今の暮らしの中で、やり残したことはないのか、何をすべきなのか、刹那的に自分を重ねながら問いかける作品である。
スタッフ
監督:伊林侑香
脚本:伊吹一
音楽:モリマツコウスケ
キャスト
伊林侑香
中川聖菜
岩井堂聖子
西村まさ彦
芹澤興人
配信期間
2026/05/08 ~ 2029/05/07
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