マリを演じるのは『女王蜂』(63/マルコ・フェレーリ監督)で第16回カンヌ国際映画祭の女優賞を受賞したフランスのマリナ・ヴラディ。ジャン=リュック・ゴダールの『彼女について私が知っている二、三の事柄』(67)の主演でも知られている。劇中、マリに好意を寄せる男性を演じたのはソヴィエトの詩人・歌手であるヴラジーミル・ヴィソツキー。彼らは実生活でパートナーだった。ユリは『ナイン・マンス』に引き続きモノリ・リリが演じている。ジュジ役のツィンコーツィ・ジュジャはこの後、“Diary for My Children”(84)に代表される「日記」シリーズにおいて、メーサーロシュの子ども時代を投影したユリを演じることになる。映画後半、工員寮で曲を披露するのは歌手のコヴァーチュ・カティ。彼女はメーサーロシュの長編映画第1作“The Girl”(68)で主演を務めた。