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片腕

片腕
『哀しみのベラドンナ』のスタッフが集結して、文豪・川端康成の“言葉”に“画”で対峙しようと云う試み。幻想とエロスの実存文学アニメーション。
30分 / 2019 / 日本 / 日本語
あらすじ
「片腕を一晩、お貸ししても良いわ――」と娘は言った。その日の朝、花屋で買った泰山木の大きな蕾を美しいと思った事を知ってか知らずか、女が自身の身体から、その蕾のような丸みを帯びた白い肩の処から外してくれた。その娘の右腕を男は受け取る。――この腕はモノを言うだろうか? 話をしてくれるだろうか?男の密かな愉しみに、腕は腕の出来る事しか出来ないと言いながらも、女は「お試しになって」と男を送り出した。男は外套の内に右腕を抱いて自宅へ戻る。すると、右腕は男の部屋に泰山木の匂いがすると話し出すのだった。これまでの孤独が染みついた部屋で、男は純潔を保った娘のように儚くも冷ややかな体温を持った娘の右腕を愛で始めるのだが――
©川端康成 / GENCO
解説
虫プロが大人向け長編アニメとして1973年に制作し、ベネチア国際映画祭等で高評価を得た『哀しみのベラドンナ』。そのメインスタッフである山本暎一、杉井ギサブロー、画家の深井国らが50年の時を経て再集結した。本作は、1963年発表の川端康成の不条理小説『片腕』を、3DCGやVFXなどの新技術を導入してアニメ化。当時は不可能だった繊細なタッチを見事に表現している。 歌劇だった『ベラドンナ』とは違い、本作は朗読劇をベースとしたことで、川端康成の紡ぐ「言葉の力」が前面に押し出された。深井国による繊細かつ幽玄な画と言葉が、時に拮抗し、時に補完し合いながら融合。娘の右腕を持ち帰るという不条理に慄く男の内面を、純粋な“イメージ”の語りへと昇華させている。 語りを含む“男”役・三木眞一郎の抑えたトーンが、この世界観を成立させる不可欠な要素であったことも特筆しておきたい。
スタッフ
原作:川端康成
監督:山本暎一
監督:杉井ギサブロー
キャスト
三木眞一郎
朴璐美
配信期間
2026/10/05 ~ 2030/03/31
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