頼りないが優しい息子・サトシと明るくてパワフルな母・明子。平凡でユーモラスな宮川一家の日常は、母が突然ガンを宣告されたことによって変化していく。サトシは恋人の真里に励まされながら母のために奔走し、家族は戸惑いながらも支えていく。そして…母と別れて1年、やっと家族それぞれが新たな人生のスタートをきった頃、サトシの元に突然、母からプレゼントが届く。それは想像をはるかに超えた特別な贈り物だった――。
長崎で生まれ育ったサラリーマン・ゆういちは、ちいさな玉ねぎ「ペコロス」のようなハゲ頭を光らせながら、漫画を描いたり、音楽活動をしている。男やめものゆういちは、夫の死を契機に認知症を発症しはじめた母・みつえの面倒を見ていたが、症状が進行した彼女を、断腸の思いで介護施設に預けることになる。過去へと意識がさかのぼることの増えたみつえ。その姿を見守る日々のなかで、ゆういちの胸には、ある思いが去来する―。