伝統的な焼き物の街。そこに14歳の結衣(中島セナ)は、父 信夫(大迫一平)と祖母と三人で暮らしている。美しいと感じたものを、自分の色使いで絵に描くことが唯一の楽しみで、時間があればスケッチブックに絵を描いている。放課後には美術教室に通うが、自分の個性を出すのではなく基礎の知識や技法を重視する指導には馴染めずにいる。
「捧げる」ことで人生が転落していく人間模様 29歳漫画家志望のナツオはアシスタントをしながらデビューを目指している。しかし、筆が進まず悶々とした日々を送る。唯一の趣味は近所のコンビニに通い、店員ハルに接客をしてもらうことだった。ひょんなことからハルと知り合えたナツオはハルの応援を得てデビューに向けて頑張るようになる。ナツオの作品が入選し、自信を付けたナツオはハルに告白することを決意する。しかし、ハルはナツオの前から姿を消してしまった。ハルはギャンブル狂の父親のためアルバイトで家計を支えている。しかし、父親の借金が原因でハルは風俗に身をやつす。偶然ハルと再会したナツオは事情を知り、何とかしてやりたいと考える。ちょうどその頃、売れない漫才師東田と南はコンビニ強盗を計画している。ハルの借金返済の為、職も家も失ったナツオはその計画を耳にし、先に実行してしまう。罪を犯したナツオはハルに一緒に遠くへ逃げようと持ちかける。
結婚5年目の人妻・小夜子は年上の夫との将来を描けずに離婚を考えていた。ある日、友人のアドバイスもあり離婚後の住まいを探しはじめた小夜子は不動産屋の男・洋平と知り合う。物件を見ていくうちに年齢も近く楽天的で話しやすい洋平に小夜子は心を開いていき、離婚を考えていることを明かす。二人の距離はどんどん縮まっていくが、洋平が失踪した妻・光子に未練を残していることを感じとってしまう小夜子。「奥さんに会ってはっきりさせるべきだ」と洋平をけしかけ、僅かな手掛かりを頼りに北に向けて二人の旅が始まる。