家族のしがらみから逃げてきたフリーター・辰巳ユリ、複雑な過去を背負い、女性に貢がせて生計を立てている中条紘、日雇の肉体労働で日々を過ごし、女性に対して愛情表現が不器用な石田鉄平、過去の事こそ話さないが「コーポ」の一角の部屋で怪しげな商売を営む初老の宮地友三。彼らは大阪の下町にある安アパート「コーポ」に住んでいる。ある日、コーポで暮らす同じ住人の山口が首を吊って死んでいるのを宮地が見つける。似た境遇で暮らす人間の死を目の当たりにして、ユリたちはそれぞれの人生を思い返し――。
“春画先生”と呼ばれる変わり者で有名な研究者・芳賀一郎は、妻に先立たれ世捨て人のように、一人研究に没頭していた。退屈な日々を過ごしていた春野弓子は、芳賀から春画鑑賞を学び、その奥深い魅力に心を奪われ芳賀に恋心を抱いていく。やがて芳賀が執筆する「春画大全」を早く完成させようと躍起になる編集者・辻村や、芳賀の亡き妻の姉・一葉の登場で大きな波乱が巻き起こる。それは弓子の“覚醒”のはじまりだった―。
余命数年と宣告され、自暴自棄になった宮野真奈美はインターネットの自殺サイトを見て、集団自殺を考える。だが、集まったメンバーは好き勝手なことばかり言っていっこうに自殺する気配がない。ひとりで死のうとした その、サイトの管理人・妙田が現われ、「ある人を助けてくれたら苦しまずに死ねる薬をあげる」と奇妙な交換条件を出すのだった。迷いながらも承諾した真奈美は、紹介された長田と一緒に、とある田舎町を訪れる。そこは、長田が15年間帰れなかった故郷だった・・・。
ある家族の、愛と運命の物語 一人息子を亡くし、代々続く家系が途絶える危機に頭を痛めている辰也とその母ハル。息子を失い妻が出て行ってしまった辰也に対し望まぬ相手との結婚を迫るハル。そして娘の由子に婿養子をとり、跡を継いでほしいという思いを秘める辰也。名家の跡継ぎを巡り家族の中が緊迫し、繋がりが崩れだしていくが…。
1983年カンヌ国際パルム・ドール受賞作品「楢山節考」から28年、姥捨山伝説が再び甦る。棄てられたことで生まれて初めて自由を手に入れた、総勢50名の老女たちの青春映画に日本を代表する名女優が集結!雪深い山あいの小さな村。貧しいこの村では、70歳になった者は掟に従って口減らしのため山奥に捨てられる運命にあった。息子に背負われた斎藤カユもお参り場という場所に置き去りにされてしまう。死を覚悟し、やがて意識を失うカユだったが、彼女は老婆たちによって助けられ、一命を取り留める。そこは、かつてカユと同じように捨てられた老婆たちが生きるために力を合わせてつくりあげた“デンデラ”と呼ばれる共同体だった。しかし、デンデラの創設者にしてリーダーの三ツ屋メイの目的は、自分たちを捨てた村人への復讐。そして、カユを加えてちょうど50人となった時、メイはついに復讐計画の実行を決断するのだが…。
幸せってごっつシンプルでナイスやで!!みんな、真剣やから笑わんといてください!大阪の下町で暮らす久保家。3人の息子を抱え、一家の大黒柱となっているのは、働き者のお母ちゃん、房子(松坂慶子)。お父ちゃん(間寛平)が突然が突然亡くなり、四十九日も済まないうちに、お父ちゃんの弟と名乗る叔父さん(岸部一徳)が転がり込んでくる…が、なぜかすんなりと受け入れる天真爛漫でのんきな房子。こうして5人の奇妙な家族生活が始まる。シェイクスピアの”ハムレット”のような複雑な家庭環境に加えて、兄弟は深刻な悩みを抱えている。中3の長男は、恋する年上のファザコン女性に「私のお父ちゃんになってほしい」と言われ困惑する。ヤンキーの次男は、自分が例えられた”ハムレット”が近所のペットでないことが解決したものの、ふと自分の顔がお父ちゃんに似てないことに気づき、家族と人生について悩みだす。小学生の三男は、将来の夢を聞かれ、「女の子になりたい」と大宣言…。