さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は、鈴の音に導かれるように、長い橋の下に広がる河原で出会った。恋に落ち、付き合うまでに時間はかからなかった。等には3つ下の弟・柊(佐藤緋美)がいて、柊にはゆみこという恋人(中原ナナ)がいた。初めて4人で会ったときから意気投合し、自然と一緒に過ごす時間が増えていく。食事をしたり、ゲームをしたり、ゆみこが気になっているという〈月影現象〉について「もしも現実に月影現象が起きたら、誰に一番会いたいか?」を語りあったり。何気ないけれど穏やかで幸せな日々が過ぎていくなかで、別れは前触れもなくやってきた。等とゆみこが死んだ──。深い哀しみに打ちひしがれるさつきと柊。愛する人を亡くした現実を受け止めきれず、ショックで食べることも忘れ、ひたすら走るさつき。そんなさつきを心配しながら、ゆみこの制服を着て何かを感じようとする柊。それぞれの方法で哀しみと向きあおうとしていた。ある日、2人は不思議な女性・麗(臼田あさ美)と出会い、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。そして、以前みんなで語り合った〈月影現象〉に導かれていく。もう一度、会いたい、会いに来てほしい──。その現象とは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない、という不思議な現象だった……。
御堂一男(ムロツヨシ)は、中学生の娘・ひかり(中田乃愛)と2人暮らし。最愛の妻・江津子(奈緒)は8年前に他界。一男は小さな教会の牧師をしながら、ガソリンスタンドでアルバイトに励みつつ、ひかりを男手ひとつで育てている。思春期に突入したひかりはちょっぴり反抗的な時もあるが、優しくて面白いお父さんのことが大好き。牧師として多くの人に慕われ、たまに娘と些細な喧嘩をしながらも、2人の穏やかで幸せな日々は続いていく…と思っていた、ある日、突然ひかりが倒れてしまう。病院で下された診断は“白血病”。混乱し事実が受け入れられない一男だったが、担当医師からある衝撃的な事実を告げられる。なんと、愛する娘は、自分の実の子ではなかった。ひかりに適合するドナーは「数百万人に一人」という残酷な現実が一男をうちのめすが、「血縁者は適合率が上がる」という事実に気付いた一男は、ある思い切った行動に出る…
主人公のタカコは道行く誰もが振り返る美女。WEBデザイナーという仕事にも恵まれ、愚痴を聞いてくれるケイコという親友もいる。しかし、長くつきあってから相手が結婚していることが発覚するという恋愛が3回も続き、気づけば32歳になっていた。不毛な恋愛に疲れ果てたタカコの口から「死にたい……」という言葉がこぼれ出たその夜、タカコは結婚を決意し、婚活サイトに登録する。マッチングサイトで出会った本気で婚活に励む非モテ系の園木とデートを重ねながら、シングルズバーで知り合った結婚願望のないバツイチ・イケメン歯科医の矢田部に惹かれていくタカコ。実は自身の結婚生活に悩んでいたケイコは、タカコが結婚後についてまったく考えていないことに苛立ち始め、2人はとうとう本音を激しくぶつけあう大げんかをしてしまう。
ツチダは同棲中の恋人・せいいちのミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働いていた。一方せいいちは毎日仕事もせずにダラダラと過ごす日々。しかし、ツチダがキャバクラの客と愛人関係になり生活費を稼いでいることを知ったせいいちは、心を入れ替え働き始める。そんな矢先、ツチダは昔の恋人・ハギオと偶然の再会を果たす。過去の思い出にしがみつくように、ハギオにのめり込んでいくツチダだったが・・・。