名前は無名(ウーミン)。秦の小さな村の官吏。特技:十歩必殺―十歩の距離であればどんな相手でも一撃のもとに倒すことのできる剣術。中国全土で最強といわれる3人の刺客を倒し、秦の始皇帝に謁見を許された。そして彼が話し始めたのは、誰の想像をも超えた物語だった。
人気小説家美倉洋介は、新宿駅の片隅でホームレスのような酔払った少女ばるぼらに出会い、つい家に連れて帰る。 大酒飲みでだらしないばるぼらだが、美倉はなぜか奇妙な魅力を感じて追い出すことができなかった。彼女を手元に置いておくと不思議と美倉の手は動きだし、新たな小説を創造する意欲がわき起こるのだ。ばるぼらはあたかも芸術家を守るミューズのようだった。 その一方、美倉はエロティックで異常な幻覚に悩まされる。次第に彼の周囲は現実離れしてゆく。ついに美倉はばるぼらとの結婚を決意するが、それは同時に破滅への入口だった。