盲目の天才鍼師ギョンスは、病の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いている。しかし、ある夜、王の子の死を“目撃”し、恐ろしくも悍ましい真実に直面する。見えない男は、常闇に何を見たのか?追われる身となったギョンスは、制御不能な狂気が迫る中、昼夜に隠された謎を暴くために闇夜を駆ける―絶望までのタイムリミットは、朝日が昇るまで。
1993年、春。養護施設出身で札付きのワルだったヒスは、釜山港の外れの街クアムを牛耳るソンに拾われ、その右腕として一帯を仕切っていた。小さな海水浴場に観光ホテル、屋台に風俗店。こんな小さな港でも、その利権を狙う奴らがしのぎを削っていた。一方、クアムに目を付けたヨンド派は、ヒスと共に施設で過ごした親友チョルジンを使い、ヒスを懐柔しようとしていた。しかし、ヤクザ稼業に嫌気がさしていたヒスの望みは、クアムでのし上がっていくでもなく、ヨンド派で金を稼ぐのでもなく、施設時代からの恋人インスクと一緒に、巨済島でペンションをやりながら暮らすことだった。そして、ヒスはソンの元を訪れ組織を抜けたいと告げるが―。
ソウルで発生したある怪死事件。身元不明の遺体は指紋が奪われ、体中傷だらけの状態で発見された。ソウル警察の刑事ジノは事件解決の手がかりを探るにあたり、シンポジウムのため来韓していた法医学者のアリスに協力を要請する。遺体の身元が容易に特定できず、臓器が違法な手術によって抜き取られていたことを知った2人は、背後に蠢く組織を追い詰めるべく捜査に挑む。しかしそこには、想像を絶する凄惨な事件の真相が隠されていた―。