色を失い、目に見えるものすべてが灰色となってしまった近未来の世界。そこで力を得ているのは、飲めば一瞬ではあるが、世界の色を見ることができる薬“イリス”を手にしている者だった。しかし、そんな状況下で生きながらも、少女アナは薬を手にすることもなく、世の中の色を見ることができた。そんなアナの力を守るため、ゼタとホタという男たちはいつも彼女のそばに寄り添い、東の遠くの果て、灯台がある島を目指していた。しかし、世界を制覇しようとする者たちによって、3人は追われるハメになる。
1975年、軍事独裁政権下のウルグアイ。21歳のリリアナは、結婚・出産後も学生運動に参加し“独裁政治をぶっ潰せ!”と、声高に叫び市民に投げかける。しかし軍事政府は彼らのアジトを見つけ出し、次々と仲間を検挙。かろうじてその場から逃げることができたリリアナも、数日後には誘拐同然に兵舎に連れ去られてしまった。そこでは、目を疑う地獄絵図のような惨状が広がっていた。囚われたすべての学生たちは全裸にされ軍人たちによる拷問や性的暴行が繰り返し行われていて…。