稲原組の名称を稲原会と改めた稲原龍二(松方弘樹)は、それに伴い、稲原会の代紋を統一した。そして、昭和四十七年、稲原会は東京・六本木に新しく本部事務所を開設。更なる事件、抗争が龍二と稲原会を待ち受けていた―――。九道会と草山一家による骨肉の九州戦争、そして史上最大の抗争と呼ばれた山賀組四代目跡目争い。龍二はこれらの抗争の仲裁に力を注ぎ、終結へと導いていく。一方、息子の裕之(目黒大樹、後に渡哲也)はその後、稲原会の二代目となる石井(名高達男)のもと着々と頭角を現し始め、龍二と共に極道社会の壮烈な波に巻き込まれていく―――。
熱海・山崎屋一家の跡目を継いだ稲原龍二(松方弘樹)は、その後“横浜四天王”と呼ばれる愚連隊の実力者・モロッコの辰(寺島進)、井沢輝一(本宮泰風)、林俊一郎(隆大介)、吉永金三(山下真広)をすべて傘下に納め、稲原組は横浜から東海道にかけて一気に勢力を拡大していった。そして極道の世界は、稲原龍二と山賀組三代目・田城正雄(中井貴一)の時代を迎えるのである。だが、大組織のドンへと昇り詰めていく龍二の前には、更なる過酷な試練が待ち受けていた…。
これは激動の半生を生き抜いた一人の男と、その侠気に魅了された熱き者達の壮烈な群像劇である―――横浜一帯を縄張りに持つ堀井一家三代目総長・加東伝三郎(高松英郎)は、とある柔道場で後に日本の極道社会を揺り動かすこととなる一人の若者と、劇的な出会いをする。男の名は、後の稲原会総長・稲原龍二(松方弘樹)―――!加東に見込まれ堀井一家の若い衆となった龍二は、生涯の師となる代貸し・横山新二郎(夏八木勲)の後見のもと、博徒としてめざましく成長していった。やがて、東海道最大の勢力を誇る綱島一家総長・鶴岡政二郎(丹波哲郎)に器量を買われた龍二は、新たに鶴岡と親子の盃を交わす事となる。この親子縁組こそが稲原龍二の運命を、そして日本の極道勢力図も大きく動かすことになるのである…