掃除婦の仕事をする今日子は、アラフォーの独身。そんな今日子の40歳の誕生日、朝起きるとなんと20代の自分の姿に若返っていた。さっそく通りすがりの男をナンパし、性行為に及ぶが行為中に40代の自分に戻ってしまう。さらに一晩寝ると、30代、20代の自分が川の字で寝ていて…
オムニバス形式で送る【B級】ショート・パルプフィクション【第一章】大都会・新宿の片隅にひっそりと棲息する名無しの「探偵」(裏地圭)は、大会社の重役から家出した自分の娘を探してほしいという依頼を受ける。その娘・麻耶(NAGI)との出会いが、探偵をキナ臭い争いに巻き込んでいく。【第二章】親友同士の花田(仁也)と風間(斎藤嘉樹)は、花田を借金漬けにして破滅させた暴力団組長・寺光(真柴幸平)を拉致し、山奥で殺害しようと計画を実行する。しかし、風間が花田を思いとどまらせようとしたことから、二人の間に亀裂が生じ……。【第三章】探偵がついに探し当てた麻耶は、ある理由により親元に帰ることを拒否した。そして音信不通になっている恋人の存在を明かし、その男となら一緒に海外へ脱出するという。探偵は麻耶の恋人を探すため、再び歌舞伎町に舞い戻る。
2011年。東日本大震災で未曽有の被害を受けたたくさんの人たち。その中で、被災した宮城県から栃木県鹿沼市に引っ越して来た母娘がいた。鹿沼でほうき職人として伝統を守ってきた男は、家業だけでは生活が出来ないため副業として塾を経営している。男は宮城から鹿沼にやって来たその母子家庭の娘を支えてやろうと月謝を取らずに塾に通わせていた。高校受験を控えたその娘はしかし、心に負った震災の傷が癒えずに塾を休みがちになる。どうにかしてやりたいと思うが不器用な男は何もできない。さらに自分には実の娘がいて、娘としては他人の娘にばかり優しくする父が面白くない。見かねた妻がたしなめるが男はわかっていない。やりきれない心と心がすれ違い交わりそうで交わらない。息苦しい暮らしの中で娘たちは何かを見つけるのか――
「理解し合うことと、愛し合うことって同じじゃない」。34才の誕生日を目の前に命を絶った由希宏が残した言葉を、玲加は理解できずにいた。彼の死から1ヶ月、玲加は由希宏が使っていたパソコンの中に「アディクトの優劣感」と題されたテキストを発見する。そこには、玲加の知らないもうひとりの由希宏がいた。彼が経営するバー“リミッターカット”は、無軌道な若者たちが集い、ドラッグが蔓延するアディクトたちの溜り場だった。由希宏もまた、セックスとドラッグにはまり、退廃的な生き方に身を委ねていた。そんななか、DJ兼プッシャーのテンパリが、ドラッグ所持によって逮捕されてしまう。このことをきっかけに、テンパリと同棲していたヒノコと由希宏の距離は縮まり始める。ドラッグに耽溺するように、一回りも年下のヒノコに魅せられていく由希宏。彼の心は、ヒノコと彼女のもつ世界に触れることで、次第に変容し…。