弁護士の夫を持ち、社会的にも経済的にも恵まれた生活を送る女、園子。何不自由ない毎日を過ごす彼女の前に現れた妖艶な女、光子。美術学校で出会ったふたりは、光子の提案によって奇妙な関係を結ぶ。それは光子の婚約を破談にするため、ふたりが同性愛であるかの如くふるまうこと。当初は戸惑った園子ではあったが、光子の神々しいまでの美しさに魅了され、園子の夫も巻き込んで次第に悦楽の迷路に彷徨いこんでゆく・・・。
女子高に通うサキ、亜佐美、千花、頼子の4人は、夜通し渋谷で遊び歩き、携帯電話を片時も手離さない今どきの女の子。ある日、授業中に頼子の携帯に心当たりのない送信者から不気味なメールが届く。それは、身籠った17歳の橘あゆみという女性を暴行した挙句に胎児もろとも殺害した数人の男たちを捜して復讐を遂げるために、あゆみの友人らしき人物が始めた携帯版不幸の手紙“チェーンメール”であった。「12時間以内にこのメールを9人に回さないと、犯人とみなして殺す」やがて彼女たちのまわりにも不可解な事件が相次いだ。このままではいつ自分たちにもチェーンメールが届くかもしれない。一体誰が何のために・・・。彼女たちは早速犯人探しを始めるが、そんな中、恐れていた事態が遂に訪れてしまう。亜佐美の携帯に例のチェーンメールが届いてしまったのだ。八方塞がりになってしまったサキは、クラスの担任でITオタクの清水に助けを求めたが、清水はメールの出所を突き止めた暁に、自分とSEXをするよう求めてきた。核心に迫り始めたその矢先・・・、そこにはサキの、清水の、それぞれの思惑と期待を裏切る、とんでもない恐怖が待ち構えていた・・・。
未来の理容師、美容師を育てるために夢を持って専門学校の教壇に立っている久沙江。学生たちも未来の自分に思いを馳せて夢を抱いている・・・、はず!?ハサミを使ったカットの技術に自信が持てなくて不登校ぎみの学生、複雑な家庭環境に思い悩み授業に身が入らない学生。奮闘努力の甲斐あって久沙江はそんな彼ら、彼女らを立派に巣立たせることができるのだろうか?教壇に立ちながらも悩む久沙江、そんな時人と人との「絆」が悩む久沙江に教育とは何か、という事を教えてくれる。
背中を覆う一面の鳳凰、胸元へと続く羽根。 藤堂葉月(井村空美)は、姉の陽花(さとう珠緒)とダンスパートナーの月岡亮介(勝野洋輔)の練習風景を見つめていた。陽花は競技会で優勝するほどの腕前。一方の葉月はまだ大学生で、姉の才能に引け目を感じていた。華やかで外向的な陽花に対して、葉月はおとなしく内向的な性格。そして葉月には、銀座の画廊倶楽部から送られてくるクリムトの絵のポストカードと吊るし人形を部屋じゅうに飾る不思議な趣味があった・・・。そんな葉月ではあったが、ふとしたことがきっかで、公私共に姉のパートナーである亮介と急接近する。すぐにそれに勘づいた陽花は、葉月に激しく嫉妬するのだった。亮介からは、ペア解消を申し出され、絶望した陽花は夜、雨の中をさまよい出る。そこに現れたのは、「最高に美しい肌、そこに魂を彫りつける。それができたら、死んでもいい。」と言う男、刺青の彫師・桐悟(鈴木一真)だった・・・。ある日のこと、陽花は葉月に届け物を頼む。用意されたクルマで葉月が向かったのは、桐悟の家。真っ赤に染まった匂い月の夜、桐悟は葉月の背に“鳳凰”の刺青を彫り始めるが・・・。
雑誌編集部員の真由美(井上美琴)は、日本画展の取材にて、一人の女性が見入っていた絵に引きつけられる。その絵は『魚濫観巫音(ぎょらんかんぜのん)』といい、見ていた女性は純子(伊藤裕子)という刺青の彫師だった。観音を描いたその絵に魅せられた純子は、「いま一番彫りたい絵だ」と真由美に告げたのだった・・・。ある日、真由美は不倫相手に暴力を振るわれたところを、平田タケシ(波岡一喜)というチンピラに助けられる。偶然にも、彼の背中には純子の彫った伐折羅(ばさら)の刺青があり、不思議な縁に運命を感じた2人は愛を育んでいくが、幸せな時間は長くは続かない・・・。組同士の抗争で、己の信念を貫いて命を失ってしまったタケシ。最愛の人の魂を刻みたい、と真由美は純子に「彫ってくれ」と頼む。純子は真由美の肌に『魚濫観巫音』を彫り始める。苦悶と愉悦の狭間で、純子の声が響く。「鯉に騎(の)る観音は、慈悲心を司る仏、愛に生きる女」。タケシの名を呼びながら、身悶える真由美。“刺青”は彼女を、そして人生を大きく変えるのだった・・・。
来栖精像は、今は亡き伝説の彫り物師・彫精を超えることを目指し、また彫精の芸術作品とも言える刺青を後世に残したいと考えていた。そんなある日、精像にとって最高のカンバス・背中を持つ雨宮美妙と出会う。美妙は大学院で錦絵の研究に携わり、その色彩感覚は天性のものを持ち合わせていた。精像は美妙を誘拐監禁して刺青を彫らせるよう迫る。しかし、錦絵の魅力と刺青の持つ魔性に吸い込まれたように、美妙は逆に最高の刺青を精像に彫ることを要求する。彫精を超える芸術的な刺青を残そうと、精像の持つ針が美妙の背中を繊細に踊る。そして遂に、背中を抱きしめるような、見事な八重垣姫の刺青が美妙に彫られた。その見事な八重垣姫は2人の間に張り詰めた空気の流れをわずかながらせあるが変えてしまったのだ。それは強い者(監禁した精像:彫った精像)、弱い者(監禁された美妙:彫られた美妙)の立場を逆転させると同時に、2人にとって決して逃れることの出来ない運命と対峙させてしまう。その運命とは・・・。美妙と精像の絵と色彩における才能に関する謎が、いま解き明かされようとする。
この都市伝説に、逃げ場はない!親友同士の水谷菜月(岩田さゆり)と中島玲子(仲村みう)たちは、学校で友人たちと、”テケテケ”の噂話しで盛り上がっていた。「夜に赤い物を持っていたり、身につけたりして踏切を渡ろうとすると、テケテケ、テケテケって変な音がして、後ろを振り向くとテケテケがいる」、「違う、違う、踏切じゃないよ、電車の歩道橋だよ」、「それって呪文を唱えれば助かるんじゃなかったっけ?」。玲子は、性格のキツさから、友人の間では避けられていた。ある日、文化祭委員の玲子が、打ち合わせに参加しない刀根エリカ(松嶋初音)を注意したことから、エリカたちに無視されるようになる。ただ菜月だけは、今までどおり親しく接していた。しかし、エリカたちが玲子の財布を盗んだことをきっかけに、玲子の様子がおかしくなる。玲子ににらまれた者は、必ず死ぬのである。しかも、上半身と下半身が切断されて・・・。菜月は、玲子の異変に"テケテケ
この都市伝説に、逃げ場はない!大橋可奈(大島優子)のクラスメイトである関口綾花(西田麻衣)が、下半身のない死体で発見された―。この事件を機に、学校では”テケテケ”の話しで持ちきりである。この噂は、可奈の耳にも入ってきた。”テケテケ”を見た者は、72時間以内に必ず死ぬ。可奈は、都市伝説について調べるため図書館へおもむくが、そこで偶然、可奈の従兄弟であり、女子大生の平山理絵(山崎真実)と出くわす。理絵は、大学の心理学科に通い、都市伝説に関する卒業論文をまとめていた。理絵の話によれば、”テケテケ”のルーツは、兵庫県の加古川で、戦後間もなく起こった女性の鉄道投身自殺にあるという。2人は早速、加古川へ向うことにする。加古川で2人は、地元の大学を訪れ、理絵の教授から紹介された行方教授(螢雪次朗)と助手の武田慎(阿部進之介)から鉄道投身自殺した”カシマレイコ”という女性について話を聞く。許された時間は72時間。そう、可奈は”テケテケ”を見てしまっていた・・・。