王と瓜二つだったために、毒殺の危機に怯える王・光海(クァンヘ)の影武者をつとめることになった道化のハソン。大臣たちの陰謀の気配が渦巻く宮中での不安から、暴君と化していた光海。ある日、病床についたことをきっかけに、妓生宿で腐敗した権力の風刺をしていたハソンが極秘の代役として王にすり替わる計画が実行される。偽物の王が、本物の王に成り済まして政治の矢面に立つ15日間。その中でハソンは、最初は戸惑いながらも、次第に操り人形ではない民のことを考える真の王として周りを魅力していくのだが・・・。
朝鮮時代末期。母を亡くした少女チェソンは、偶然にも耳にした【パンソリ】で唄われていた悲運なヒロインに自らの人生を重ねて感銘し、唄い手になることを決意する。当時は女性が【パンソリ】を唄うことは固く禁じられていたが、あきらめきれないチェソンは性別を偽り、大家ジェヒョのもとで修業を積む。ある日、時の権力者・興宣大院君が主催した宴に危険を冒して臨むのだが…。最後まで夢を信じる少女と、命がけで支え【パンソリ】の全てと愛について教えた師匠。そして、ふたりの運命を握る絶対的な権力者。知られざる実話が、いま美しくスクリーンに花開く―ー。
雨の日に発生した一件の殺人事件。その場に偶然居合わせた元傭兵ヨフンは何者かに襲撃され、病院に搬送されるほどの重傷を負ってしまう。意識を取り戻し、自分が殺人事件の容疑者として指名手配されていることを知るヨフン。そして彼の治療を担当した医師テジュンのもとには「妻を助けたければヨフンを連れてこい」という謎の男からの電話が…。テジュンは拉致された妻を救うため、ヨフンを病院から連れ出し逃亡を図ろうとするのだが、その瞬間からふたりは“標的”となってしまった…。警察からの執拗な追跡に加え、闇の組織までもがふたりを追い詰める。なぜ、彼らは狙われるのか?そしてテジュンの妻の運命は?先の読めない緊迫の36時間がいま始まる。
終戦直後の韓国。楽士ウリョンは、肺病を煩った息子ヨンナムとソウルへ向かう途中、地図にない山奥の村に足を踏み入れた。見ず知らずの親子の出現にどこか怯えた様子の村人たち。彼らは外界から閉ざされたその村で、村長による強力な支配のもと暮らしていたが、大量発生した鼠の被害に頭を抱えていた。そこで、ネズミを駆除してくれたら、報酬としてヨンナムの病を治すための大金を与えてくれるという村長の約束を信じ、ウリョンは笛を吹いてネズミを追い払う。だがそのことがきっかけで、その村の恐ろしい秘密を知ってしまい…。
実直な刑事のソンヨルは、裏組織の幹部の殺害現場で、犯人の遺留品と思われる証拠品が妻の所持品と同一のものであることに衝撃を受け、咄嗟に同僚のチェ刑事の目を盗んで隠滅を謀った上、さらには重要な目撃者の証言も握りつぶしてしまう。一方、被害者の兄で組織のボス、ジャッカルは、警察よりも先に犯人を見つけて復讐してやると息巻く。次第に追いつめられていくソンヨルは、事件当日に被害者と会っていた男を強引に犯人に仕立て上げようとするのだが…。
80年~90年代に韓国で起きた“三大未解決事件“のひとつで、小学生5人がカエルを捕りに行ったまま失踪し、11年後に白骨死体で発見されるも、2006年に時効が成立した事件を題材にした作品。事件解決の糸口を突き止めるべく奔走する者たちが真相に近づくまでの過程がリアルに描き出され、韓国では興行収入2週連続1位を記録。
典型的な亭主関白の夫・ジンボンと、思春期真っただ中の生意気盛りな息子と娘。そんな家族に時にうんざりしながらも、健気に尽くしてきた平凡な専業主婦のセヨン。だがある日、自分の命が残りわずかと知らされる。突然の余命宣告に激しく動揺したのも束の間、何かが吹っ切れたセヨンは、自身のおそらく最後となる誕生日に、学生時代の初恋相手との再会を熱望。よりによって彼を一緒に探してほしいと夫に頼み込み、夫婦の奇妙な最後の旅が始まる。木浦から東灘を経由して釜山に。さらに清州から、小さな島=甫吉島へ……。初恋相手を探す韓国横断の旅は、いつしか夫婦のドラマチックな出会い、激しい恋の日々、はしゃいだ新婚旅行など、甘い記憶を呼び覚ましていく…。
7年もの間全く執筆できていない元ベストセラー作家ヒョンは、まさに崖っぷち。そんな中、失恋し情緒不安定な高校生の息子ソンギョン(ソン・ユビン)は学校も行かずに遊び惚けている。心配ごとが尽きないヒョンの前に作家を目指す男子学生ユ・ジンが現れ、突然愛の告白をする。ヒョンはそれを断固拒否するもユ・ジンの作品を読んだヒョンは彼の才能を認め、新作を書き上げるため仕方なく共同執筆を行うことに。微妙な関係の二人は無事に小説を完成させることが出来るのだろうか!?更にヒョンを衝撃の事実が襲う!果たして、この騒がしい生活に終わりは来るのだろうか・・・?
キリスト教に対する迫害が行われ、熱心な教徒であった学者チョン・ヤクチョンは黒山島(フクサンド)に配流された。しかしそこには、豊かな海と自然、そして生活は貧しいが親切で素朴な人々との出会いがあった。チョン・ヤクチョンは次第に海の生物たちの魅力にとりつかれ、庶民のための“海洋学書”を書き記そうと決心する。島民の中に誰より海の生き物に詳しい若き漁夫チャンデがいることを知ったチョン・ヤクチョンは、学問を教える代わりに海についての知識を自分に伝授するよう取引を持ちかける。やがて二人は互いに師となり友となり強い絆が生まれるのだが―。
昼も夜もなく駆けずり回るが、実績は最低。あげくの果てに解体の危機を迎える麻薬捜査班。リーダーであるコ班長は、麻薬を密輸している国際犯罪組織の情報をつかみ、チャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフンの4人のメンバーと共に張り込み捜査を開始する。麻薬捜査班はその組織を24時間監視するため、彼らのアジト前にあるチキン店を引き継ぎ、偽装営業をすることに。だが、絶対味覚を持つマ刑事の隠れた才能により、思いがけず、そのチキン店は名店として名を馳せるようになる。捜査は後回し、チキン売りで息つく暇もなく忙しくなった麻薬捜査班に、ある日、絶好の機会が訪れるが・・・。