弁護士の夫を持ち、社会的にも経済的にも恵まれた生活を送る女、園子。何不自由ない毎日を過ごす彼女の前に現れた妖艶な女、光子。美術学校で出会ったふたりは、光子の提案によって奇妙な関係を結ぶ。それは光子の婚約を破談にするため、ふたりが同性愛であるかの如くふるまうこと。当初は戸惑った園子ではあったが、光子の神々しいまでの美しさに魅了され、園子の夫も巻き込んで次第に悦楽の迷路に彷徨いこんでゆく・・・。
来栖精像は、今は亡き伝説の彫り物師・彫精を超えることを目指し、また彫精の芸術作品とも言える刺青を後世に残したいと考えていた。そんなある日、精像にとって最高のカンバス・背中を持つ雨宮美妙と出会う。美妙は大学院で錦絵の研究に携わり、その色彩感覚は天性のものを持ち合わせていた。精像は美妙を誘拐監禁して刺青を彫らせるよう迫る。しかし、錦絵の魅力と刺青の持つ魔性に吸い込まれたように、美妙は逆に最高の刺青を精像に彫ることを要求する。彫精を超える芸術的な刺青を残そうと、精像の持つ針が美妙の背中を繊細に踊る。そして遂に、背中を抱きしめるような、見事な八重垣姫の刺青が美妙に彫られた。その見事な八重垣姫は2人の間に張り詰めた空気の流れをわずかながらせあるが変えてしまったのだ。それは強い者(監禁した精像:彫った精像)、弱い者(監禁された美妙:彫られた美妙)の立場を逆転させると同時に、2人にとって決して逃れることの出来ない運命と対峙させてしまう。その運命とは・・・。美妙と精像の絵と色彩における才能に関する謎が、いま解き明かされようとする。
マグロ船に乗って1年、借金を完済した常次朗(与座嘉秋)は自分を罠にはめた憎き猫本(高杢禎彦)への復讐を果たすため、同業の日掛け金融・新撰リースへと就職する。社長の近藤(遠藤憲一)、先輩の長倉(IZAM)らの指導のもと、日掛け金融の世界に少しずつ馴染んできた常次朗に最大のチャンスが訪れる。婚約者の捺子(愛川ゆず季)が働いているクラブに猫本が客として現れたのだ。捺子の協力のもと、猫本が経営する徳政ファイナンスの顧客名簿のコピーに成功し、次々と猫本の顧客に営業をかけ新撰リースへと借り換えさせていく。しかし顧客名簿がコピーされたことに気づいた猫本は、コピーしている捺子が映ったテープを持っていると話し、警察に訴えない代わりに2000万円の損害賠償を要求してきた。常次朗は再び借金地獄にはまるのか!?
服部常次朗は福岡でバーを経営しているが、店は連日閑古鳥が泣く始末。日々の生活費を捻出するのも困難な状況で、日掛け金融に手を出していた。今日もまた取り立て屋の猫本が店にやってくるが1日6千円の返済も出来ず、火の車を通り越して大炎上寸前。この借金地獄から脱出するため、常次朗はバーを閉めて新たに風俗店を開業する決意をする。常次朗の心意気に、猫本は資金面も含めて風俗店開業を全面的にバックアップすることを約束する。常次朗は猫本の好意を喜んで受けることにする・・・、その好意こそ・・・、脱出不能な借金大地獄にはまり込む猫本の罠とも知らずに・・・。
ルールはただ一つ。生き残れ!ニュースキャスターの如月玲奈(楠城華子)は、大学の同級生だったスクープ屋・佐伯から意外な写真を見せられる。数ヶ月前亡くなったはずの妹・渓奈が、二週間前に刑務所向かっていた護送車転覆の現場写真に写っていたのだ。真相を解明すべく、あえて罪を犯して刑務所行きを決意する玲奈。そこでは女囚同士を戦わせ賭けの対象にするという裏社会のゲームが行われていた。セーラー服や婦人警官のコスプレでのバトルを強要される女囚たち。政府関係者、IT企業社長などが不気味で怪しげな地下室に集うのであった。「数名同士で戦い合い、累計十五人殺せば出獄を保証する!」その言葉に一縷の望みを賭け、決死の戦いをする女囚たち。強い者に媚びへつらい生き残る者もいれば、腕力を活かし勝ち抜く者もいる。互いの腹のうちを探り合い、駆け引きをする女囚たち。人間としての尊厳を保ったまま死んでいくか、人間であることを捨て去りマシンとなって生き延びる道を選ぶか…。果たして玲奈は、この絶望に満ちた刑務所から妹の渓奈を連れて出られる日が来るのだろうか?