日本統治下の大韓帝国。初代皇帝・高宗(ペク・ユンシク)の娘に生まれた徳恵翁主(ソン・イェジン)は、政略に巻き込まれ、わずか13歳で日本へ留学させられる。祖国に帰れる日を待ちわびながら月日は流れ、大人となった彼女の前に、幼なじみのキム・ジャンハン(パク・ヘイル)が立派な青年となり姿を現す。日本軍に従事する一方、秘かに朝鮮独立運動に尽力していた彼は、王朝復興のため徳恵翁主と皇太子である兄王を上海へ亡命させようと計画。信念に突き動かされた者達は、激動の歴史の中で想像を絶する運命に身を投じていくが・・・。
明治から令和へ、『百試千改』の言葉が、消えかかったモノづくりの魂に明かりを灯す!永峰明日香は東京で夢破れ、故郷広島へ。実家は三浦仙三郎の杜氏の末裔が継いだ酒蔵。養女である明日香は、幼き頃から酒造りに興味を持っていたものの、実家を継ぐことは、そぐわないと避けて生きてきた。目標を見失っていた明日香は父・亮治が「家宝」とする三浦仙三郎の手記を目にする――。「何度も試して直す。なんぼいけんかってもそこを見つけて、直す。わしゃあ負けんど」明治初期、新米酒造家の三浦仙三郎は、醸造中に中の酒が腐る「腐造」に何度も見舞われる。資金不足、両親、愛する養女の死。逆境の中、腐造を起こさない、安定した日本酒醸造技術の確立に研鑽を重ね、ついに軟水による低温醸造法を導き出す。明日香は仙三郎の百回試して、千回改める『百試千改』の想いに強く惹かれる。そんな折、父・亮治が突然倒れ、サラリーマンの兄・創太は、たとえ仕込み中であろうとも蔵をやめるべきだと主張する。三浦仙三郎の想い、父が手帳に残した新酒への想い、明日香は、わだかまりを超え、『百試千改』のモノづくりに入る決心を固めるが――。匠の心意気と技、支える家族、仲間たち。広島の地で、吟ずる者たちのタスキは繋がれた!明治から令和へ。時を経て、想いと一緒に醸される新酒『追花心』は完成できるのか?