崇拝する美しいママンに会うため、祖母のもとで育てられていたピエールは両親が暮らすスペイン、カナリア諸島を訪れた。 自堕落な父親に対する煩わしさはあるものの、ママンとの平穏な暮らしへの訪れに胸を震わせながら。 しかし、父親の事故死と共に、幻想は崩れ去る。 母を敬愛する喜びは打ち砕かれ、代わりにピエールの人生は不安と恐怖に支配される。 青い海、煌めく太陽の下、ママンが徐々に本性を露にしはじめたのだ。 17歳の少年が知る、不道徳で魅惑的なママン。ママンが連れてくる若い愛人たち。毎夜繰り返される堕落した淫らな夜の日々。 刹那的で欲望に忠実なママンは、逆らいがたい支配力で若者たちを惹きつけていた。 少しでもママンに近づくために、ピエールはママンに紹介された女性たちと不道徳で残酷な遊びに身を投じていく。 そして、残酷で暴力的な愛の行く末には、衝撃的な結末が待っていた―。
1600年代のイタリア。“カラヴァッジョ”の名で知られるミケランジェロ・メリージは優れた芸術家である一方で反逆児と見なされていた。売春婦や泥棒、浮浪者を神聖な絵画のモデルとして扱っていることから、ローマ教皇はバチカンの秘密諜報員に調査を依頼する。
1968年、「五月革命」前夜のパリ。アメリカ人留学生マシューは、パリ・シネマテークの創設者アンリ・ラングロワ解雇に反対するデモの最中に、双子の姉弟イザベルとテオに出会う。毛沢東主義に傾倒する姉弟。二人と意気投合したマシューは、両親が留守になった彼らのアパルトマンで同居することになる。やがてその生活は親密で濃密なものとなっていく…。
カンボジア、1975年4月。武装組織クメール・ルージュによるプノンペン制圧のニュースを境に、多くの住民が強制労働のため農村に送られる。一家で農村へ移動する道中、息子ソヴァンと離れ離れになってしまった母親のチョウ。農村での革命組織(オンカー)の監視による苛酷な労働や理不尽な扱いは、彼女と夫クンを、そして共に生活する家族を一人、また一人と追い詰めていく。しかし、チョウは決して諦めない。生き延びて、最愛の息子を取り戻すため―。