ホアンの夢は闘牛士になること。ある日、闘牛の訓練を積んでいると、ドンナ(シャロン・ストーン)という名家の令嬢と出会う。ドンナはホアンを自室に招き入れて挑発するが、彼女にとってはただのゲームにすぎず、ホアンの自尊心をいたぶった挙句に冷たく放り出してしまう。時は経ち、今や花形マタドールとなったホアン。名誉と栄光を手に入れたが、ドンナのことは忘れられない。そんな時、再び彼女からの誘惑がやってきた…。
1970年――21才のリンダ・ボアマンは、フロリダの小さな町で、厳格なカトリック教徒の両親と暮らしていた。ある夜、リンダは女友達と遊びに行った帰りに、地元でバーの経営をしているチャック・トレイナーと知り合う。厳しい両親との生活にうんざりしていたリンダは、チャックの優しい言葉に惹かれ、彼とつきあい、すぐに結婚する。性的にうぶだったリンダに対して、チャックは、セックスの快楽を一から教え込んでいった。その半年後――チャックのダークで陰湿な一面が、しだいに明らかになってきた。妻のリンダをポルノ映画へ出演させるという、とんでもないアイディアを思いつく。たった7日間で撮影されたリンダの主演映画『ディープ・スロート』(タイトルはリンダがチャックから伝授された「秘技」を指して付けられた)は、1972年に全米公開され、記録的な大ヒット作となった。「リンダ・ラヴレース」というポルノ女優としての芸名を授かった彼女は、一躍スーパースターに――パーティ会場でも「プレイボーイ」編集長のヒュー・ヘフナーやサミー・デイヴィス・Jr.といった有名人から賞賛されるほどの人気者となり、70年代の解放的な「セックス革命のシンボル」として祭り上げられていく。
米国ロサンゼルス。ハリウッドとビバリーヒルズを結ぶサンセット大通りの一角に佇む「サンセット・ストリップ」と呼ばれるエリア。『ロック・オブ・エイジズ』の舞台となったこの地区は、今日に至るまで、音楽を中心とする様々なカルチャームーブメントを世界に発信し続けている。禁酒法が制定された20年代に開拓され、売春宿「マダムフランシス」が名を馳せたのちに40年代には世界的ナイトクラブシーンへ発展。マフィア抗争で揺れ、若者らが暴動に走り、グルーピーとドラッグに溢れ、セックスアンドロックンロールが蔓延。80年代ファッションが注目され、90年代にはヒップホップとグランジが君臨。光と影に覆われた激動の時代を経て今なお、夢と希望、栄光と挫折が共存するこの偉大なストリートのヒストリーを、この地に親しんだミュージシャンやハリウッドセレブなど、数々の著名人たちの言葉とともに振り返る。
アメリカで最も危険な職業である大型送電線の架線作業員(ラインマン)。ベテランラインマン ボーは嵐のシーズンが来る前に電線改修工事を急ピッチで進めていたが、観測史上稀に見る大型の台風が突如発生。唯一の家族である姪の住む街へ進行していることが発覚する。超巨大台風と大規模停電によってアメリカに未曾有の危機が迫る中、姪は事故で瀕死の重傷を負い、さらに運び込まれた病院の予備電源がショートしてしまう……