祖母の家だった空き家を訪れるコト。だが様子がおかしい。庭には見知らぬダンボールハウスが建ち、妙な老人が住み着いていた。街の音を録っては土に埋める“音の墓”を作っているという老人。その奇妙な行動に興味を持ち、コトは手伝いを始める。そこへ、家の立ち退きを要請しに訪問者がやってきて…。
東京で舞台美術の仕事をしていたまりは、ふるさとの西伊豆の小さな町で、かき氷屋で生きていくことを宣言する。ある日の朝、突然母から、大学時代の友人の娘であるはじめちゃんが、しばらくうちに滞在することになったから面倒を見てくれ、と頼まれる。はじめちゃんは顔に火傷の痕が残り、また一緒に暮らしていたおばあさんを亡くしたばかりで、心に傷を抱えていた。