コロナ禍で仕事を失った初老の俳優・木村は、一念発起して自作映画を作り始める。ところが、肝心のシーンで主人公に三ヶ月の重症を負わせてしまう。マネージャーからは、損害賠償を匂わされ、最後の頼みの生活補助金も却下の通知が届く。そこに娘のアサミからは厄介な心配事まで持ちかけられる。途方に暮れる木村は、初めて中学の同窓会に出席してみる…そこで再会したかつての学校のマドンナ・雪乃は、木村の映画に出資すると言い出す。東京に戻った木村はスタッフを集め…そしてアサミにも、一つの決意を持ちかけるのだが…。
とある地方都市に冷酷非情なやり方で成り上がった不動産ブローカーの男がいた。高校三年生の娘は父親が荒らしたこの町に愛着を持っている。表立たずに暗躍する町にとって異分子である男と、男の裏の顔に気付きながらも共に暮らす娘。父娘の交差する思いは紆余曲折しながらも結びついていく。
暴力団の若頭と、愛人との間に生まれた少女・結。同級生達からの凄惨ないじめ、父親に隷属する母親、父親からの歪んだ愛情・・・すべてに耐えきれず、結は逃げるようにして家を飛び出す。——そんな様子を、陰からじっと見つめている男がいた。男の名前は設楽。恋愛も生き方も、すべてが不器用な中年ヤクザ。「この子を助けなくては・・・」結に心酔した設楽は、奇妙な高揚感と使命感のうちに、彼女を廃墟の一室に誘拐・監禁してしまう。食事を与え、服をぬがせ、髪を染め・・・男は時間をかけて、結を自分の理想の女に飼育していく。両手両足の自由を奪われ、自分の過去を知る男から飼育される奇妙な生活。結は徐々に抵抗する力を失い、やがて服従しはじめる。やがて二人の間に生まれる禁断の愛の行方とは・・・。