朝比奈玲子。23才。普通のOL。君津雅彦。23才。カメラマン志望。二人は恋人同士。最近倦怠気味。その日もお決まりのデート・コースを経てラブ・ホテルへ。しかしその日の雅彦は、ちょっと違っていた。SEXの後雅彦は、その余韻にひたっていてあられもない姿をしている玲子を、カメラに収めたのだ。玲子は拒絶したが、雅彦はシャッターを押し続けた。そして3週間後、玲子はその写真が雅彦の手によって雑誌社に送られ、投稿写真雑誌に掲載されているという事実を知る。きっかけはこんなもの。「私とはわからない、私の知らない男達が、私の裸を見ている。」玲子は未経験だった強烈な快感を覚え、投稿者新にはまっていった・・・。
周一郎が他界して5年、文緒(喜多嶋舞)は再び西湘に地にやって来た。カルチャーセンターの生花講座の講師として、急遽招かれたのだ。文緒は周一郎(中村方隆)の仏壇に線香をあげるために吉岡邸を訪れると、康隆(芦田昌太郎)は不意の来訪者に動揺を隠せない。かつて淡い想いを寄せたひと、そのひとと仁志(小林宏史)との逢引を目撃した衝撃が蘇ってくる。康隆は大学院に進み、学友のみどり(橘実里)と2人で論文をまとめ上げるため、日夜机を向かい合わせていた。そんな2人の心は既に学友からお互いを異性として知らず知らずのうちに意識していた。それにも関わらず、文緒の存在は康隆の心境に微妙な変化を与える。そんな折、文緒は康隆に周一郎の未発表遺稿「月下美人」を読ませる。そこには周一郎が脳梗塞で倒れる寸前からの、文緒と周一郎の愛の日々が綴られていた。なぜ文緒は康隆にそれを読ませたのか。その真意とは・・・。