背中に悔いを背負った男、安田松太郎。彼は傷ついた天使に出会い、旅に出る。しかし、社会はそれを誘拐と呼んだ。――主人公の安田松太郎は、高校の校長を定年退職した厳格な教育者。しかし、幸せな家庭を築けず、アルコール依存症だった妻を亡くし、一人娘から憎しみをかっている。人生に悔恨を背負ったそんな初老の男が、一人の天使に出会う。松太郎が引越したアパートの隣室に母親と二人で暮らしている5歳の少女。ボール紙で作った擦り切れた羽根をいつも背中につけた地上の天使は、母親に虐待され、誰にも心を開けなくなっていた。不幸な少女の名は、幸。松太郎はある日、幸を救い出し、一緒に旅に出る。行く先は、松太郎の遠い記憶のなかにある心のユートピア。青い空に白い雲がぽっかりと浮かび、大きな鳥が悠然と空を舞う、ある山の頂だった。しかし、幸の母親は娘が誘拐されたと、警察に届け出る。捜査の網の目は次第に彼らを追い詰めていく・・・。
少女は夢に生き、青年は夢を捨てて生きてきた――オペラ歌手を夢見、名門女子高の合唱部でソロを歌う岩田真理子(安藤サクラ)は、ふとしたきっかけで一人の青年(佐々木崇雄)に出会う。大事な楽譜をなくされた真理子は、その償いとして青年に学校帰りのボディガードになってほしいと頼む。次第に親密になっていく二人だったが、青年はいつまでたっても自分の名前を明らかにしない。在日朝鮮人三世、趙聖文(チョ・ソンムン)が彼の名だった。そんななか、真理子は合唱部のソロを降ろされ自暴自棄に。一方、聖文は悪事に手を染めるようになる。互いに惹かれ合いながらも溝が深くなっていく二人・・・・・・。
大学生のハル(満島ひかり)はどこにでもいるふつうの女の子。ボーイフレンドはいるけれど、どこか満たされない、何かが足りないと感じる日々。そんなとき、ハルは、事故や病気で失った身体のパーツをつくるメディカルアーティストのリコ(中村映里子)に出会う。リコはちょっとミステリアスで、刺激的で、自分の欲しいものははっきりとわかっている女の子。なぜだかわからないけれど、自分を好きだと言ってくれるリコにハルは心を開くようになり、安らぎを感じていく。これって恋?愛って何?ハルはますます自分の気持ちが分からなくなっていく・・・・・・。心のスキマはどうしたら埋まるの?私のカケラはどうしたら見つかる?
閉ざされた空間に監禁された7名の罪人。目覚めると、頭には動物のマスク。手には毒薬を仕込まれた手錠と鎖・・・。傲慢(ごうまん)、嫉妬(しっと)、憤怒(ふんぬ)、怠惰(たいだ)、強欲(ごうよく)、大食(たいしょく)、色欲(しきよく)―。7つの大罪を背負った者たちに課せられたのは、死の裁判ゲーム。制限時間内にお互いの素性を探り合いながら、より罪が重いと判断した者に多数決で“死の審判(ジャッジ)”を下す。出口も希望も見いだせない環境下、自分が生き残るためには誰かに投票しなければならない。悪夢と狂気のゲームに勝ち残るためには何をなすべきか? 協力か? 騙し合いか? 人を殺めることか?そして、この謎めいたゲームは一体何者が仕掛けた罠なのか?極限状態の中で、人間の欲望、憎悪、本性が醜いまでに暴かれていく・・・。