「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報を信じて祖国を脱出した、幼い子どもを連れたシリア人家族。しかし、亡命を求め国境の森までたどり着いた彼らを待ち受けていたのは、武装した国境警備隊だった…。
トマーシュの盗賊団を引き継いだヤノシークは、タトラ山脈を拠点として勢力を広げていった。彼らは貴族や商人を襲い金品を強奪しては貧しい者たちに戦利品を分け与え、その義賊的な行いはやがて尊敬や敬意を受けるほどに。戦術にも長けていたヤノシークのカリスマ的な立ち振る舞いは、人々の人気をより一層高め、権力者たちはその存在の危険性を感じ始めていた。一方、影でもヤノシークのリーダーとしての地位を妬む者が現れ…。
1711年、戦乱に巻き込まれ皇帝軍に身を置いていたヤノシーク。彼は凶悪犯罪者を収監していたビトチャ城の駐留部隊に配属されたのち、盗賊団の首領トマーシュと出会い意気投合する。トマーシュの脱獄を手伝い、自身も皇帝軍からの除隊に成功。戦争からようやく解放されたヤノシークは、平穏な生活を求め牧童として働き始める。その頃、トマーシュは結婚を機に盗賊業から足を洗うと決め、自らの後継者としてヤノシークを選ぶのだが…。