東京でシェフとして働くフランス人のジェイ(ロマン・デュリス)は、日本人女性と結婚するも離婚。共同親権をめぐる制度の違いにより、最愛の娘リリーと引き離される。望みを捨てきれないままタクシー運転手に転身した彼は、孤独に街を彷徨いながら、いつも娘の面影を追いかけている。やがて帰国を決意しかけた矢先、思いがけない再会が訪れる。成長した少女が、偶然ジェイのタクシーに乗り込んでくるのだ。しかし、リリーは目の前の男性が実の父親とは気づかない。ジェイもまた名乗ることができないまま、束の間の時間を共にする。それは偶然か、あるいは運命か。再び父として娘と向き合うことができるのか。名乗れない父と、父を知らない娘。交差した時間が、止まっていた父の人生を再び動かしはじめる。
東京から北海道の月浦に移り住み、湖が見渡せる丘の上でパンカフェ「マーニ」を始めた夫婦、りえさんと水縞くん。水縞くんがパンを焼き、りえさんがそれに合うコーヒーを淹れ、料理をつくる。そこには、日々いろんなお客さまがやってくる。北海道から出られない青年トキオ、なんでも聞こえてしまう地獄耳の硝子作家ヨーコ、口をきかない少女未久とパパ、革の大きなトランクを抱えた山高帽の阿部さん、沖縄旅行をすっぽかされた傷心のカオリ、観察好きの羊のゾーヴァ、そして、想い出の地に再びやってきた老人とその妻。それぞれの季節にさまざまな想いを抱いて店を訪れた彼らが見つけた、心の中の“しあわせ”とは?そして彼らを見守るりえさんと水縞くんに訪れることとは?