硲(はざま)冬樹(加藤雅也)は、横浜でいくつかの酒場を経営する画家。毎晩のように自転車で店を巡回し、したたかに飲む。一方、画家としての才能は内外に名を知られる存在でもあった。そんな冬樹の平凡な日常が狂い始める。ある日、冬樹を兄貴と慕う岩井信治(カトウシンスケ)が傷を負って冬樹のもとに転がり込んできた。信治は、冬樹の店を辞めた後NPOの慈善団体、“碧(みどり)の会”の一員となって、横浜の街の闇に飲み込まれた女の子たちを救い出す活動をしていた。一人の未成年の女子を救うために窮地に追い込まれていた信治に冬樹は手を貸してしまう。そんな冬樹を守ろうとする店のバーテンダー辻村(松本利夫)。男たちの抗争に巻き込まれようとする中、冬樹は純愛を貫く人妻・永井響子(中村ゆり)の余命を知らされ、響子への愛を絵に描き写したいという思いが込み上げる。仲間を守るため、愛を貫くため、冬樹が下した決断とは――。冬樹の周辺の人間模様が複雑に交差するなか、果たして冬樹の人生はどんな終着点を迎えるのか・・・。
不動産会社の社長・覇稲剣は金儲けに飽き、学校に通いたいと言い出す。大番頭の鬼九政宗が探してきたのは歌舞伎町のど真ん中にある定時制歌舞伎町高校だった。そこにはプロレスラーにキャバクラ嬢といった生徒だけでなく、街金を裏の稼業にする校長など、多彩な人たちが集結していた。剣はさらにトラブルに巻き込まれる。
平凡な結婚生活を送っている主婦・由美子の隣に新しい隣人が引っ越してくる。それは、かつて愛し合いながらも、別れを余儀なくされた恋人・浩司だった。十年前、由美子と浩司は共にプロダンサーを目指し、プライベートでも結婚を約束したが、二人は両親の反対にあい別れた。由美子と浩司は昔の情熱が吹き出し激しく愛し合う。しかし、二人の関係はやがて周囲に知られてしまう。夫に問い詰められ、由美子は決断を迫られる…。