かつて命を絶ったミユキの“愛されたい”という執念と欲望が染みつく瀬戸内海の浜。10年ぶりに島を訪れたタクマたち4人は、忠告を振り切ってその地へ。やがて夜の帳とともに、封じていた記憶と恐怖が、彼らの心と体を容赦なく呑み込んでゆく―。
街なかを自転車で走り抜ける若いビジネスマン、西島伸太郎。空き地を見つけると、つい自転車を止めスマホで写真を撮る空き地マニア。スマホの写真を確認する中で一つの写真に手が止まる。時は遡り5年前。5日後に取り壊しが決まっている古い学生寮の1室。麻雀をする美濃部軍平、児玉香奈枝、前野中吉、渡辺美月と興味なさそうに本を読む伸太郎。その日は美月の退寮記念の麻雀大会だった。翌日は児玉が、その次の日は中吉が寮を出ることが決まっており、一番年上の10回生・美濃部を中心とした仲の良い5人はそれぞれ、恋愛、卒業後の人生、それまでの学生生活、寮でのできごとなど後悔や悩みを抱えながら最後の日々を送る。皆、伝統にならい、寮の壁に想いをこめた落書きをしたため寮を去っていった。そして、最後まで残った美濃部と伸太郎は――。
ある夏の夜、なっちゃんが死んだ。つまらない冗談を言っては「笑いなさいよ!」と一人でツッコミを入れていたなっちゃんは、新宿二丁目で食事処を営むママ。その店で働くモリリンはドラァグクイーン仲間のバージンとズブ子を呼び出す。彼らがまず考えたのは、なっちゃんが家族にオネエであることをカミングアウトしていなかったこと。証拠を隠すためなっちゃんの自宅に侵入した3人は、なっちゃんの母・恵子と出くわしてしまう。何とかその場を取り繕った彼らだが、恵子から岐阜県郡上市の実家で行われる葬儀に誘われてしまい、なっちゃんの“ひみつ”を隠し通すため“普通のおじさん”に扮し、一路郡上八幡へ向かうことになる……。
これは私の日記。誰が読むわけでも、自分で読み返すわけでもない、ただの日記…ベテラン派遣社員として働く40代独身OLの川嶋佳子は、毎日日記をつけていた。撤去された自転車との再会を喜んだり、変化を追い求めて逆方向の電車に乗ったり、踏切の向こう側に思いを馳せたり、亡き母の面影を追い求めたり…。そんな佳子の一番の幸せは会社の同僚である若林ちゃんと過ごす時間。そんな佳子に、ある変化が訪れる。それは、ふた回り年下の岡本くんとの恋の始まりだった…
24歳のOLヨシカは中学の同級生"イチ"へ10年間片思い中!過去のイチとの思い出を召喚したり、趣味である絶滅した棒物について夜通し調べたり、博物館からアンモナイトを払い下げてもらったりと、1人忙しい毎日。そんなヨシカの前へ会社の同期で熱烈に愛してくれる"リアル恋愛"の彼氏"ニ"が突如現れた!!「人生初告られた!」とテンションがあがるも、いまいちニとの関係に乗り切れないヨシカ。"脳内片思い"と"リアル恋愛"の2人の彼氏、理想と現実、どちらも欲しいし、どっちも欲しくない…恋愛に臆病で、片思い経験しかないヨシカが、もがき、苦しみながら本当の自分を解き放つ!!
人気上昇中の漫才コンビ“エミアビ”の片割れ・海野が、ある日突然自動車事故で死んだ。遺された相方の実道はマネージャーの夏海を連れ、海野の車に同乗していた雛子の兄・黒沢に会いに行く。黒沢も数年前までお笑いの世界にいた、エミアビの先輩であり恩人だった。どん底の割れない現実に直面した彼らは果たして、もう一度笑うことができるのか?もう一度跳ぶことができるのか!?そんな彼らに、思いもよらない奇跡のような“ドッキリ”が舞い降りる。
よろこんだ涙 くるしんだ涙 すべて味わいになるー北海道・空知。父が遺した小麦畑と葡萄の樹のそばで、兄のアオはワインをつくり、ひとまわり年の離れた弟のロクは、小麦を育てている。アオは“黒いダイヤ”と呼ばれる葡萄“ピノ・ノワール”の醸造に励んでいるが、なかなか理想のワインはできない。そんなある日、キャンピングカーに乗ったひとりの旅人が、突然ふたりの目の前に現れた。エリカと名乗る不思議な輝きを放つ彼女は、アオとロクの静かな生活に新しい風を吹き込んでいく・・・。